シンポジウムでは、たくさんの質問を用意していた。
でも、手を上げることも出来なかった。完全に萎縮していた僕。
拍手の中、入ってきた芳雄さんが一瞬、僕の顔を見た・・
そう思ったから、・・・まるで蛇ににらまれた蛙の状態だ。
結局、人の質問を聞きながら「馬鹿馬鹿しいこと聞くなよ」なんて思いながら。
1時間はあっという間に過ぎ去った。
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「浪人街」という作品をシンポの前に見たのか後で見たのかを
どうしても思い出せないでいたけど。今、思い出した。
「竜馬暗殺」「浪人街」と続けて見て、そのあとがシンポだったはず。
しかし考えてみればこの2本を見終わったあとの生の芳雄さんはたまらんやった。
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その日は夜8時からパーティーで、僕は入場券もゲットしてた。
時間が空いたんで、古湯の町を歩きまわった。
そして、8時。いよいよ、始まる。
僕は2週間前から用意した、ある作戦をもう一度頭の中で反復していたんだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・つづく・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・