ひとつのバンドが終わった。ちょっと本気でプロを目指したこともあった、
そんなバンドだ。ハンドマイクで唄うハードロックでも基本僕はフォークだった。
そのバンドが終わったあと、しばらくは静かに時間は流れて行った。
僕はその時間をただながめて暮らしたような気がする。
数年間続けた軽運送の仕事をやめ、昼間は松原あたりのパチンコ屋で
ブラブラと時間をつぶし、夕方は彼女が作る食事を食べ、
朝はまた彼女が作る朝食を食べてフラーっと街へ出かける。
おかしな話なんだけど、ギャンブルの神様でもついてたんだろうか?
暇つぶしで始めたパチンコで確実に金が増えていった。
今、思い出しても不思議な気がする。
日々、2千円3千円と増えていくのだから面白い。
パチンコ屋横のうどん屋のオヤジさんと知り合ったのもこの頃。
普段はごつい顔してるんだけど笑うとこの世で最高の優しい顔になる^^
痩せて青白い顔した僕が気になったんだろうか?
うなぎの肝とかマムシ酒とか精のつくもんばっかりサービスしてくれた(笑)
そんな優しかったオヤジさんも今はもう居ない。
そんな時、知り合いが一人の男を連れてアパートにやって来た。
そして開口一番。「バンドやりませんか!ドラムを連れてきました。
あとは、ベースを捜すだけです!」
僕は思わず叫んでいた。
「よし、今からベースを捜しに行こう!!!」
ズブロッカの誕生である。
まだ夜明け前ではあったのだけれど・・・
つづく