恋する王子

『大谷…ブログとか　やってへんの?』

中尾が　ニコニコしながら近づいてくる。

『やってへんよ…そんな　めんどいん…』
『今は　簡単やで…あとで見たら　楽しいと思うで…ここなんて…』


　オレは日記や手帳なんて　絶対書かかん　タイプ

　けど…な　

　伝えきれん想いを　綴るんは　ええかも　しれんなんて　最近思っとる。
　
　『大谷　ブログするんなら　いつでもゆうてな…ちなみにオレとのぶちゃんのは…』
　
　中尾の　のぶちゃんへの愛は　めっちゃうらやましいぐらいに　ストレート
　それ　を　まねて　たまには　リサへの想いを綴ってみようか？

　ブログにするには…アレやから
　真新しい大学ノートを1冊用意した。

　表紙には　『教育論…』なんて　書いてごまかしてみる。


　リサが他の男と　楽しそうに　話している時
　オレはどんな気持ちか知っとるか？

　平然な顔を装うオレ　リサは気付いとるんかな？

　実は　めっさ嫉妬深いんやーって
　リサとの日々の中　初めて気付いてん…。

　リサと出会ってから、新しい自分が　溢れてきている。

　嫉妬深いオレのキモチも…
　リサのように誰かの為に本気で泣けるって事も…

　そして誰よりも　愛しい人へのキモチや欲望…

　『はぁ…やめた　やめた　むずい事は　無し…』

　ノートに　おっきく　リサを愛してる…なんて書いて　パタッと閉じた
　その一言…が　素直なオレのキモチ…

　リサは、オレがこんなに　リサのことを想っとるやなんて…
　気付いてへんやろなぁ……