ジングルベルが聞こえない?4

『ごちそうさまでした』

『えっ？リサもうええん？』

『ん　なんか食欲ないねん』

『ねえちゃんがおかわりせえへんなんて明日は雨や』

おかんと隆人にさんざん突っ込まれたけどごはんがのどを通らんくて…

大好きなお笑い番組もケイン様のゲームもみんな　みんな色あせてて…

あかんなぁ

なんでやろ　大谷の事を思うと全部が色あせる

いっそのこと嫌いになれたらええのに


なんて

ムリな事を考えてた


★★★

♪マジはんぱないメールだぜっ

不意に携帯がメールが来たんを告げた

『大谷っ　やなくてまた茶子ちゃんか（笑）』

メールになんか添付?

＜偶然に発見。これって大谷くんやんな＞

それは大谷が女の子に囲まれてお酒を配っている写真
あたしは慌てて大谷に電話入れる

もしかしたら今日もまたサークルの飲み会
あたしが電話したらきっと出てくれる

はず…


５回目の呼び出し音の後
『ただ今電話に出ることが出来ません』

無機質な女の人の声が聴こえてきた


★★★

『はぁ…』

あたしめっさ大谷の事すきやねん。
だからクリスマスに指環もプレゼントもなんにもいらん

欲しいのは大谷の愛だけでただ顔みてアホみたいに笑い合いたいねん

それは高校の時から変わってなくてこれからも変わらんとええなぁってずっと思ってる

大谷があたしの最初で最後の恋人やったらええなってずっと思ってた。
進路離れても毎日逢えんでも

心だけでも寄り添って笑ってたい

『あほ　大谷のどあほ　うぇー』

ふいに流れ落ちる涙が携帯に落ちたのと同時に
あたしは大谷にメールを送った。

＜ばいばい大谷　楽しかった　ありがとう＞

薬指のウサリングを外して携帯の電源を落す
ベットに入って毛布にくるまると自然と涙があふれ出てきた

恋の最後ってほんまにあっけないなぁ

メールひとつで別れるんやもん
いまいち現実味はない。

けどわかっとるんは

大谷とはもう・・・

あ゛ーーーーーーーーーー

もうすぐクリスマスやなぁ

大谷の事やからすぐに彼女出来たりすんのかなぁ
もしかして今日の合コンで…

次の彼女は大谷よりちっこいんかなぁ
そしたら手もつなぎやすいしキスもわざわざ段差やなくてええやんなぁ

あたしやない誰かが

これから大谷の隣で笑うんかなぁ