ビル・エヴァンス作曲の中で珠玉の作品を
練習します。そして人前でも聞かせられる美しい
アドリブが出来るように
これから一緒に勉強していきましょう。
この楽譜を見ながら、ビル・エヴァンスが
実に素晴らしい作曲法を身につけていることを
まず実感しましょう。
作曲するものとして、ビル・エヴァンスの
非常に美しい旋律がどこから来ているのか、
とても興味があります。
彼の演奏スタイルや作曲法を
見習いたいといつも考えています。
今回は美しい旋律はそれを裏打ちする
規則正しいコード進行にあるのではないか
ということを Waltz for Debbyの曲を
分析しながら考えていきます。
ビル・エヴァンスは幼少の頃から、
クラシックピアノを習っていました。
彼の演奏スタイルは実にエレガントです。
それは泥臭いBlue Noteを
使わないことにあります。
かれはビル・エヴァンス以前の演奏スタイルを
全く無視していました。
多分感性として受け入れられなかったのだと
思います。
ビル・エヴァンスの曲は、クラシカルな素養とくに、
バッハの影響を大きく受けていると思います。
今、私はバッハのインベンション15曲全てを
ジャズアレンジ化計画を実行していますが、
バッハを弾いたり、分析していると、
五度進行やクロマチック進行などは
当たり前に出てきます。
ビル・エヴァンスがこのWaltz for Debbyにおいて
使っているコードは例えば、7thコードや
13th,9th などのテンションコードを多用しているので、
バッハに聞こえることはありませんが、
このWaltz for Debbyのコードを眺めていると、
コードの流れが、一定のリズムをもって
繰り返しています。
出だしの最初のメロディーは大変器楽的な5度進行です。
そのメロディーのコードも
メロディーに連動して5度進行しています。
コードの流れは次の通りです。
F△7/A ー Dm7 ー Gm7 ー C7
5個目のコードで半音(クロマチック)進行に
変わります。
【 A7/G ー G7/ F ー C7/E ー
F7/E♭ ー B♭6/D ー Gm7(♭5)/D♭ ー
C7/ B♭ ー Am7 】
ここから5度進行に戻ります。
この後も、
5度進行とクロマチック進行を交互に繰り返します。
ところが、
全く同じ繰り返しでなく、AーBーA’ーB'のように
バリエーションをつけて飽きさせません。
さらに短いスパンで転調をする。
これらはまさにバッハがインベンションで多用している
テクニックです。
ということで、今回は
ビル・エヴァンスの曲のベースは実は
バッハにあることは間違いないということを
言いたかったのです。そういう観点で
もう少し私のアナリーゼにお付き合いください。
さらに分析は続きます。
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