投資家の目線

投資家の目線631(安倍政権の海外への資金投入)

 7月17日、岸田外相が国連の「持続可能な開発目標」に関するフォーラムで、2018年までに10億ドル(約1130億円)規模の支援を実施すると表明した(「教育・保健の国際協力に1130億円 外相、国連会議で拠出表明」 2017/7/18日本経済新聞web版)。

 今年2月には、10年で1500億ドル(約17兆円)を投じ、米国を中心に70万人の雇用を生み出し、4500億ドル(約51兆円)の市場を生み出すという「日米成長雇用イニシアチブ」も約束している。後者については、一時、公的年金の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資金活用も報じられたが、それはGPIFに否定された。では、必要な資金はどこが出すのだろう?

 中華人民共和国は、米国産牛肉輸入再開に続いて、7月20日には米国産米の輸入にも合意した(「米、中国にコメ輸出開始へ 両政府合意、検疫手続き後」 2017/7/20日本経済新聞web版)。一方、日本政府は4月から日米経済対話を行っているが、何か具体的成果を上げたとは聞かない。金額は小さくとも確実に取引を広げる取引先と、大風呂敷を広げても口先だけでほとんど成果が得られない取引先とでは、前者が「お得意様」、「重要な取引先」であろう。民主党時代に日米関係が壊れたというが、素人の稲田防衛相の起用といい、空手形の乱発で日米関係を破壊しているのは安倍首相の方だろう。

 安倍首相は、2014年3月にウクライナに1500億円、2016年8月にはアフリカに3年で官民合わせて300億ドル(約3兆円)の資金投入も表明している。安倍政権は、これらの資金を調達するプランを持っているのだろうか?約束してしまったものは仕方がないが、日本にはこの約束を現実的な方法で実現する政権の登場が待たれる。
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