投資家の目線

投資家の目線632(声優養成所経営と加計学園問題)

 声優の林原めぐみさんが、ラジオ番組「東京ブギーナイト」の1300回で、講師に生徒がやめないように怒らない指導をして欲しいと依頼する声優養成所があると言っていた。生徒が辞めれば養成所にお金が入って来なくなるためである。今人気職業の声優の養成所でもそんな経営状態なのかと思う。

 加計学園の岡山理科大学でオープンキャンパスのパンフレットには「合格後、引き続き受験勉強を続け、一般入試でワンランク上の大学、国公立大学にチャレンジすることも可能」(2017/7/28 日刊ゲンダイ)とあり、受験料収入のことを考えれば先の声優養成所の話と同じ雰囲気が漂う。

 加計学園が今治に定員160名の獣医学部を開設するというが、それだけの学生が集まるのだろうか?日本獣医師会顧問の北村直人氏は、「今治に獣医学部を作るということですが、四国というのは獣医系大学を卒業しても少数しか四国に就職しないんですね」、「今治市役所には獣医師が一人も雇用されていませんし、これからも雇用されないでしょう。ですから今治に獣医学部ができたとしても、今治市民の方にはリターンがほとんどないでしょう」(2017/4/4 IWJインタビュー)と語っている。

 「今治加計獣医学部問題を考える会」共同代表の黒川敦彦氏によれば、「37億円相当の土地を加計学園に無償譲渡し、さらに最大で約96億円、つまり獣医学部建設費の半額を税金から拠出することになっています」、「今治市の試算では、獣医学部誘致によって年間3000万円の税収増が見込めるというのですが、これでは元が取れるまで320年もかかってしまいます。」(SPA! 2017/6/19)という。

 塩漬け状態の土地ならその無償譲渡はともかく、獣医学部の建設費の一部まで負担するとなると、今治市民にとって費用対効果はマイナスだろうと思う。さらに開学すれば助成金等が加計学園に投入される。このような無意味な税金の使い方を政府にされては、納税者も節税など政府への対抗策を考えざるを得ない。
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