投資家の目線

投資家の目線997(中国・ブラジル関係)

 中華人民共和国(中国)の韓正副主席が中国ブラジルの国交50周年レセプションに出席した(「韓正副主席、中国ブラジル国交50周年レセプション出席」 2024/9/16 新華社)。韓正副主席はロシアのプーチン大統領とウラジオストクの東方経済フォーラムで会談し(「韓正副主席、プーチン大統領と会談」 2024/9/5 新華社)、その後プーチン大統領が国賓訪問したばかりのモンゴル(「モンゴル国賓訪問したプーチン」 2024/9/3 毎日経済)を訪問してフレルスフ大統領、オユーンエルデネ首相らと会談した(「中国の国家副主席、モンゴル高官と会談 ロシアと3カ国協力を」 2024/9/8 Sankei_news)。

 

 中国軍がブラジルの軍事演習に初参加し(「中国軍、ブラジルの軍事演習に参加 アメリカは警戒」 2024/9/12 日本経済新聞電子版)、昨年、中国軍の幹部がブラジル陸軍を訪問し装備品生産について協議するなど、両国は軍事の関係も強めている。ブラジル陸軍は「高度な軍事技術への投資を重要視しており、軍の近代化プロセスを加速させるため、軍事備品の開発と生産における国際的なパートナーシップを模索して」おり、「優先される技術の中には、対空ミサイル、装輪式自走砲、ソフトウェア無線通信システム、遠隔操縦航空機、3次元レーダー、キャタピラー戦車が含まれている」(《ブラジル記者コラム》ブラジル陸軍に接近する人民解放軍=激しさを増す米国との綱引き - 南米の鼓動をキャッチ! ブラジル日報 (brasilnippou.com) 2023/8/1)という。ブラジルが新しく導入する地対空ミサイルもバーラト製か中国製が有力視されている。『ブラジルのトーマス・ミゲル陸軍司令官は最近のインタビューで、BRICS国家と共にブラジルの戦略的かつ実用的な接近を主張し、ブラジルが「理念的な二極化に揺らいではいけない」と主張するなど、米国・欧州と距離を置くことを表した』(「【ミリタリーブリーフィング】インド産か中国産か…新ミサイル導入するブラジルの悩み」 2024/7/15 中央日報)。ウクライナ事変の結果、米国製兵器はお呼びでなくなったようだ。

 

 ボーイングとの商用機部門の統合が破談になったブラジルの航空機メーカーのエンブラエル社(「ボーイング、エンブラエルとの事業統合中止」 2020/4/25 日本経済新聞電子版)は、軍用機も製造している。現在、品質管理問題やストライキなどで信用格付け会社からも格下げの方向で見直され(「<米国株情報>ムーディーズがスト突入のボーイングを格下げ方向で見直しへ」 2024/9/17 株式新聞)、軍用機のコスト超過や宇宙船の不具合で部門のトップが更迭されるボーイング(「ボーイング、防衛・宇宙部門トップ更迭-新CEOが人事刷新に動く」 2024/9/21 Bloomberg)との破談は、エンブラエル社にとって経営のフリーハンドが維持される幸運な出来事だったのではないだろうか?

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