CNNのストリーミングサービス「CNN+」が、開始からわずか約1カ月で閉鎖された。『CNNの会長兼最高経営責任者（CEO）に就任予定のクリス・リクト氏は21日の対話集会でCNNの従業員に、CNN+をサービス開始からこんなに早く閉鎖することを決断したのは「他に類のないほどひどい状況」だと語った』（『「CNN+」ストリーミングサービス閉鎖へ 開始から1カ月で』 2022/4/22 ダウ・ジョーンズ配信）という。CNN自体も苦戦している。「ゴールデンタイムの視聴者数は1年前の10分の1にまで急落したという」（「転げ落ちたメディア、なぜCNNは視聴者に見放されたのか 止まらない不祥事、視聴者数は10分の1に激減」 2022/2/18 JBpress (ジェイビープレス)）。アンソニー・ファウチ首席医療顧問を告発するロバート・F・ケネディ・ジュニア著『The Real Anthony Fauci』は、米国でベストセラーになっている。彼や彼に関わる人物を専門家として登場させ続けたCNNは、米国人民から信頼を失っているのであろう。視聴者が激減したCNNがいくらウクライナの情勢を報じても影響力はなく、それどころか視聴者はキエフ側のプロパガンダとしか捉えないだろう。ちなみに、オバマ大統領（当時）に米国内で禁止された機能獲得研究（コウモリのコロナウイルスが人に感染するかの研究など）の移転先は、ウクライナだった（理由はわからないが、武漢でも研究は行われていた）。
『首都ワシントンの弁護士事務所に所属する別のロビイストは「トランプ政権は部外者が多く、我々の意見はあまり聞き入れられなかった。バイデン政権下でワシントンは平時に戻った」と証言する。「政権内部はエスタブリッシュメント（主流派）で構成され、ロビイストが接触しやすい」という（「アメリカン・デモクラシー 漂うマネー・惑う票3 与野党拮抗、ロビー活動勢い 企業、強まる政策拒否権」 2022/4/20 日本経済新聞朝刊）。バイデン政権はロビイストやシンクタンク、彼らのお仲間であるマスメディアの人間にとっては居心地がよいのだろうが、大多数の人民からは遊離した政権といえる。
4月27日、ロシアのガスプロムはポーランド（2011年、ウクライナのヤヌコヴィッチ大統領にEU加盟を持ちかけたのはポーランドのコモロフスキ大統領（「台頭ポーランド、独に接近、欧州の重心、東に傾く（地球回覧）」 2014/9/14 日本経済新聞朝刊））とブルガリアへのガス供給を停止した（『ロシアのガス供給停止、欧州は「脅迫」と反発 法的措置へ』 2022/4/28 ロイター）。今年のG20の議長国で、世界最大のパーム油生産国インドネシアは4月22日、パーム油の輸出を全面禁止した（「[FT]インドネシア、パーム油輸出を禁止 通貨売られる」 2022/4/26 日本経済新聞WEB版）。EUは世界有数のパーム油の輸入地域なので、人々の生活に悪影響を与える（2021/22年、インドネシアは世界の生産量の58％、輸出量の56％を占め、EUは世界の消費量の8％、輸入量の13％を占める：出所「個別指導の学習塾ノックス」公式サイト）。中国のロックダウンは世界のサプライチェーンに打撃を与え（「日用雑貨貿易ハブの中国・義烏市が都市封鎖に－サプライチェーン打撃」 2022/4/28 Bloomberg)、日本の自動車メーカーなどでもそれに伴う部品不足から工場の稼働停止が相次いでいる（「いすゞ、5月に藤沢工場5日間停止 新型コロナ影響で」 2022/4/28 日本経済新聞WEB版）。ベトナムはロシアと近く初の合同軍事演習を行う（「ベトナムとロシア、初の合同軍事演習を実施へ 越外務省は「両国間の団結強化」を強調」 2022/4/22 VIET JO）。
4月28日、G20の構成国トルコのエルドアン大統領はサウジアラビアを訪問し、ロシアのウラジミール・プーチン大統領と同盟を組むムハンマド・ビン・サルマン皇太子と関係修復のための会談を行った（「トルコ大統領、5年ぶりサウジ訪問 関係改善へ首脳会談」 2022/4/29 日本経済新聞WEB版）。バイデン政権がいくらロシアの参加に反対しようと、プーチン大統領は参加することになるだろう。
追記：2022/5/5
