コンクールにて

2008年08月06日 08時22分05秒 | Weblog
ピアノのコンクールを聴きに行った。
小学1,2年生中心の部門のためか,
客席にはおじいちゃん,おばあちゃんの姿も目立つ。

審査が始まりほどよい緊張感のなか進行していく。
Ⅰ部の真ん中を過ぎたあたりだろうか,
突然,私の左後方より,

「ちゃりららら りーら りーら りーら」

と携帯の着メロが鳴り出したのである。
誰ッ,と会場の視線はそちらの方へ一斉に送られる。

ある老婦人がゴソゴソとカバンの中を物色するも,
携帯がなかなかみつからない様子。

「こういうときは携帯の電源を切っとくのが当たり前だろッ」

という観客全員の無言の圧力が老婦人を襲う。

しょうがなく彼女は,
鞄を胸の前で抱えながらホールから小走りに出て行った。

数分後,彼女は戻ってきた。
審査は引き続きプログラム通りに進んでいた。

ほどなくしてまたもや左後方から,

「ちゃりららら りーら りーら りーら」

と着メロが!
うおぃっ!!電源切りに外へ出たんやないんかーい
また,この着メロが
くるみ割り人形の「花のワルツ」
という極めて優雅なことがこの場合めちゃ腹立たしい。

またもや,彼女は鞄を抱え,小走りに外へ。
もう二度と戻ってきてくれるな。

そんなこんなで,Ⅰ部終了。
休憩後,Ⅱ部が開始。

ほどなくして,今度は,私の真後ろのあたりから何やら音が・・・

「ヒック,ヒック,・・・ヒック,ヒック・・・」

えーーー,しゃっくりーーー!

あからさまに振り向くわけにもいかず,
カメレオンのような目(をしてたと思う)にして様子をうかがうと,
どうやら,老紳士のしゃっくりが止まらないらしい。
気にはなるが,しばらくはやり過ごすことにした。

ところが,5分経っても,10分経っても,
一向にしゃっくりがおさまる気配がない。
余程,突然振り返って

「ワッッッッッ!!!!!」

と脅かして,しゃっくりを止めてやろうかと考えたが,
そんなことをしたら私がつまみだされることは必至。

とうとうⅡ部が終了するまで,彼のしゃっくりは止まらなかった。

そしてⅢ部,さっきの老婦人も老紳士も姿が見えない。
さすがに,この場に居るのはいたたまれなくなったのであろう。
よっしゃ,よっしゃ,やっと落ち着いて聴けるぞ・・・

審査が始まり,数分後。

「ぐぅ~~~~」

と,でっかい腹の音が,会場に鳴り響いた。

それは,私のすきっ腹の音であった・・・
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 当たらずとも遠からず | トップ | シンクロしてしまう »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿