この週末は、「十七代中村勘三郎 二十三回忌追善公演」でもあった歌舞伎座へ。お目当ては、玉三郎丈が花魁八ツ橋を演じる「籠釣瓶花街酔醒」。勘三郎&玉三郎の組合わせで見るのは、意外にも初めて(だと思う、自信ないが)。またこの演目、「かぶく者」という歌舞伎界を舞台にした漫画で取り上げられていたこともあり、どう演じられるのか、新たな視点で見てみたい思いもあった。ただ中村屋には、あまり思い入れのない私は、今月は三階席からの観劇だ。(実は、見たいバレエ公演も重なって、金欠なのだ
。ま、いつものことだけど(爆))
この日、先日買った結城紬をデビューさせた。暖かいといわれる結城を、まだ寒いうちに試してみたかったのだ。帯は、黄色地花柄の博多帯をあわせ、地味な結城に可愛らしさを加えたつもり。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/21/98aff8752565d71761102f68d65a98e8.jpg)
ところが、やっぱり結城で歌舞伎座は、ちょっと失敗だったかもしれない。三階席だから紬でも良いだろうと思ったのだけど、この日の着物姿は、たとえ三階席であっても柔らかものが圧倒的に多かったのだ。歌舞伎座の着物のフォーマル度、高まっているなあと思っていたけど、閉鎖が間近に迫ってエスカレートしていないか!?ばったり会った、ブログ仲間の黒猫さんも、あちらは一階席だからかめしれないというものの、しっかり付け下げ着ていらしたし。見比べて、わたし、ちょっとカジュアルすぎ?
結城ではなく、大島だったら同じ紬でも、あまり引け目を感じない。それは多分生地の光沢のせいだろう。大島のように光沢があるものだと、おしゃれ感が増すような気がする。光沢というのは、格を左右する重要な要素だと改めて思った次第。
加えてせめて帯が博多帯ではなく、九寸帯であったら、もうちょっときちんとした印象になったのではないか。・・・などと振り返っていると、無性に九寸帯を買いたくなって、WEBショップをチェックしている自分に気が付いた。もー、ワタシのばかばか!結城のせいで余裕ないのを忘れたの?
この日は暖かくなったので、結城の暖かさを確かめるには至らなかったのだけど、その軽さには改めて驚かされた。ぜんぜん重さを感じない。逆に、普段着ている着物って、こんなに重みがあったことを気づかされた。こりゃ、年取ったら結城ですなあ・・・。
さて、歌舞伎のほうだが、玉三郎丈の八ツ橋に、妙なことに「ワーキングウーマン」として共感を覚えてしまった。
今回、改めて気づいたのだが、花魁というのは中間管理職みたいなものではないか。置屋は上司、芸者や幇間、はては下働きは部下といった構図に見える。部下たちの生計は、自分の力量にかかっている。だから実入りのよいお客は手放せない。また自分の感情を優先するには、置屋という組織を飛び出さなければならない。そこまでの器量がある自信がなければ既存の組織から離れるわけにはいかない。うーーん、つらいよね~八ツ橋。
そのあたり、自分に自信があるがゆえに意地を通せる「助六」の揚巻あたりと比べると、八ツ橋は弱いよなあ。しかし、この弱さ、優柔不断さって、私たちも日常ありがちではないだろうか。
加えて、いい男かもしれないが、甲斐性がなく権八のような男の言葉に左右されてしまうようなだらしのない栄之丞なんぞに入れあげているあたり、人を見る目もなさそうだ。
そんな八ツ橋の弱さを玉三郎さんはひしひしと感じさせてくれた。この人が演じると、八ツ橋は清潔でぜんぜん計算なんかしていない。単に自分の弱さだけから悲劇を招いてしまう八ツ橋が、哀れでならなかった。
goo ブログ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyoko_thunder.gif)
この日、先日買った結城紬をデビューさせた。暖かいといわれる結城を、まだ寒いうちに試してみたかったのだ。帯は、黄色地花柄の博多帯をあわせ、地味な結城に可愛らしさを加えたつもり。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/21/98aff8752565d71761102f68d65a98e8.jpg)
ところが、やっぱり結城で歌舞伎座は、ちょっと失敗だったかもしれない。三階席だから紬でも良いだろうと思ったのだけど、この日の着物姿は、たとえ三階席であっても柔らかものが圧倒的に多かったのだ。歌舞伎座の着物のフォーマル度、高まっているなあと思っていたけど、閉鎖が間近に迫ってエスカレートしていないか!?ばったり会った、ブログ仲間の黒猫さんも、あちらは一階席だからかめしれないというものの、しっかり付け下げ着ていらしたし。見比べて、わたし、ちょっとカジュアルすぎ?
結城ではなく、大島だったら同じ紬でも、あまり引け目を感じない。それは多分生地の光沢のせいだろう。大島のように光沢があるものだと、おしゃれ感が増すような気がする。光沢というのは、格を左右する重要な要素だと改めて思った次第。
加えてせめて帯が博多帯ではなく、九寸帯であったら、もうちょっときちんとした印象になったのではないか。・・・などと振り返っていると、無性に九寸帯を買いたくなって、WEBショップをチェックしている自分に気が付いた。もー、ワタシのばかばか!結城のせいで余裕ないのを忘れたの?
この日は暖かくなったので、結城の暖かさを確かめるには至らなかったのだけど、その軽さには改めて驚かされた。ぜんぜん重さを感じない。逆に、普段着ている着物って、こんなに重みがあったことを気づかされた。こりゃ、年取ったら結城ですなあ・・・。
さて、歌舞伎のほうだが、玉三郎丈の八ツ橋に、妙なことに「ワーキングウーマン」として共感を覚えてしまった。
今回、改めて気づいたのだが、花魁というのは中間管理職みたいなものではないか。置屋は上司、芸者や幇間、はては下働きは部下といった構図に見える。部下たちの生計は、自分の力量にかかっている。だから実入りのよいお客は手放せない。また自分の感情を優先するには、置屋という組織を飛び出さなければならない。そこまでの器量がある自信がなければ既存の組織から離れるわけにはいかない。うーーん、つらいよね~八ツ橋。
そのあたり、自分に自信があるがゆえに意地を通せる「助六」の揚巻あたりと比べると、八ツ橋は弱いよなあ。しかし、この弱さ、優柔不断さって、私たちも日常ありがちではないだろうか。
加えて、いい男かもしれないが、甲斐性がなく権八のような男の言葉に左右されてしまうようなだらしのない栄之丞なんぞに入れあげているあたり、人を見る目もなさそうだ。
そんな八ツ橋の弱さを玉三郎さんはひしひしと感じさせてくれた。この人が演じると、八ツ橋は清潔でぜんぜん計算なんかしていない。単に自分の弱さだけから悲劇を招いてしまう八ツ橋が、哀れでならなかった。
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確かにカジュアルですが、3階席でしたらそんなにおかしいというものでもないような…確かに「記念来館」みたいな方が増えてきて、ドレスコードも上がっているのかも知れませんね。
ともあれ、楽しまれたようでよかったですね
今回、初めて「着物の重さ」を意識しました。軽いって楽ですね~。
できることなら歌舞伎座の三階席は、新劇場になってもカジュアルが許される場であってほしいです。思いっきり華やかにおしゃれをする一階に対してカジュアルな3階もあるという懐の深さが、歌舞伎の劇場の魅力であると思っているので。
あの日は特別やわらかものの人、しかもわりと着付けもキッチリしている人が多かった気がします。ロビーで勘太郎丈の若奥様も見かけたので、なんかあった日なのかな、と思ってたんですが、そうですか、三階席も。
確かに三階席には気軽さが残っていて欲しいですよね。
私も気に入っているので、これを着たときに、改まり度を調整できるようにしたいんですよね。で、帯がほしい・・・という物欲に結局つながってしまう(爆)。何しても芋づる式に物欲に繋がる自分の脳内回路はどうなっているのか、不思議ですわ。