こうしたらあーしたらと自分なりに考えられる工夫を
すべて施して、ついに最後の手段
熟練のクラフトマンの元を訪ねる事にしました。
若かりし頃色々な企業の原型製作をしていたのですが、
私がWAXで形を作り、地金になったものをその方が細工するという
スタイルで長い間仕事をしておりました。
工業デザイナーでもあった方なので
構造上の知識が深く経験値が高いのです。
「難しいバングルだね。でもやるべき事はすべてやってあるから
後はお客さんに微調整してもらう方が良いよ。」
とお墨付きを頂きました。やったー
(工房で写真を撮らせて頂けば良かったと後で後悔。)
《完成したバングル》
《装着すると・・・》
この段階では最終仕上げをしていなかったのですが、
装着具合をお客様に画像で見てもらいました。
私とお客様はほぼ同じサイズですが、骨格や筋肉のつき方が違います。
制作時に型として使う芯金棒もメーカーによって
丸っぽい楕円だったり平たかったりと形状が異なります。
指輪よりずっと大きいバングルは誤差がその分大きく出てしまいます。
鋳造で作ったバングルなので、ハンマーでたたいて作るバングルのような
バネ性が出ず、形状をらせん形に変えたりしました。
でも知らなかったからこそ出てきたお客様のデザインかと思います。
知っていると作り易い無難なデザインになっていくのでしょうね。
工房ではいくつかの知らなかった技術を教えて頂いたり、
作りながら色々な事を考えたので学びの大きい制作でした