アトリエ 籠れ美

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平成27(2015)年5月4日より

油絵制作の時期は?(自分なりの暦を作る)

2024-02-22 03:00:00 | 画材、技法、芸術論、美術書全般、美術番組
*かなりの長文になりますが、ご容赦を。


 油絵は乾燥するのに時間がかかるので、毎日描くことができない。

 乾燥促進剤を使えば別ですが、使わない方がいいのは明らかで、市販の油絵具に含まれる以上の余計な添加物は避けるのが常識的です。

 油絵具は酸素を吸って乾燥します(だから時間が必要)。これに気温と湿度も大きく関与します。真夏なら最短で2、3日と早いが、真冬なら2週間は当たり前で、最大3週間と遅いです。

 私は季節を問わず、1週間で指触乾燥するよう心がけています。そのために描き方(一度にあまり分厚く塗らない)や、調合溶き油の自作、といった工夫をしていても、上記の通り、夏は早く乾きますが、冬は遅く、もはや開店休業状態になります。


 さて、高温多湿の日本において、油絵制作にふさわしい時期とはいつか。私は油絵を描き始めて約20年になるので経験からわかってきたことがあります。

 加えて、かねがね,季節に合った生活をしたい、季節に逆らわないようにしたい、と思っていたので、それを自分なりの暦を作ることで解決し、それを今年から実行しますので、何かの参考になると思い、記事にします。


 そもそものきっかけは、夏以降、油絵が順調に乾くのはいつまでか、に気づいたからでした。私が維持したいと考えている1週間での指触乾燥が保てなくなってくるのが例年10月中旬以降でした。

 つまり10月中旬までは油絵は1週間で指触乾燥します。それ以降は徐々に乾きにくくなるのです。

 またこれは画材とは関係ない話ですが、屋外スケッチをする場合、実は5月に入るともう暑いのです。つまり外で一所にじっとしているには5月で既に暑いのです。

 そして面白いことに、母が高血圧のため、医者からもらった血圧手帳に血圧を記録するようになって一年経って気づいたことなんですが、血圧が低いのが4月から9月、高いのが10月から3月でした。


 以上のようなきっかけもあり、自分なりの暦を作ってしまおう、油絵制作が円滑になるための暦があればいいのではないかと考えました。

 そこで参考までに、私が作った「日本で油絵を描くための暦」を紹介します。



 まず油絵制作の時期を5月16日から10月15日と規定し、夏とします。

 一番油絵制作に傾注する季節ですが、梅雨の時期だけは湿度が上がるため、指触乾燥が1週間以上かかることがあるのが留意点になります。


 そして10月16日から12月15日を秋とします。

 この時期は屋外スケッチに充てます。私の好きな透明水彩スケッチをします。

 寒くなっていきますが、まだ外出が億劫になるほどでもありません。この時期に油絵を描くこともありますが、徐々に指触乾燥は遅くなっていきます。


 12月16日から翌3月15日まで冬とします。

 自宅で透明水彩画を描きます。原則として油絵は描きません(ただし公募展出品作は別)。公募展出品作しか油絵は制作しません。

 このうち12月16日から2月15日は、冬休みと規定し、油絵以外のこと、例えば読書や将棋など、趣味のことに傾注します(ただし美術館通いは別)。

 またこの時期は遠出の外出はしません。風邪を引かないよう努めます。

 翌2月16日から3月15日までは、その年の油絵制作のための準備期間とします。構想を練ったり、調べ物をしたり、年間計画を立てます。

 この時期から遠出の外出は解禁です。


 翌3月16日から5月15日が春です。

 屋外スケッチします。陽気も良く積極的に外出もします。新しいことを始めるのもよし。



 という感じです。以上が、私なりの暦でこれに従い、行動していきます。

 もちろんこれは原則論で一つの指針ですので、厳密にこれを守るわけでもありません。

 例えば、新しい調合溶き油を自作し、真冬での乾き具合を試したり、忘年会や新年会で都心へ行ったり、といったことは当然あります。


 こうした自分なりの暦を作ることで、私の場合、透明水彩画やスケッチをする時間を作れますし、また読書や将棋などに集中できるまとまった時間を取ることもできるという利点があります。

 特に12月16日から翌2月15日を冬休み、油絵は開店休業になるので基本的に制作しない、としたことで、他のことに取り組めるのが大きいです。

 春と秋にスケッチの時期を設定できたのも大きいです。これで年2回、定期的にスケッチに行けます。


 勝手に決めた四季ですが、面白いことに、立夏は5月5日頃なんですよねえ。そして立冬は11月7日頃。油絵を指触乾燥1週間で描ける、ぎりぎりが実はこの頃まで。

 立春は2月4日頃。私が勝手に外出解禁と決めたのが2月16日ですから、当たらずとも遠からず。立秋は8月7日か。確かにこの時期から指触乾燥2、3日というのは終わりになっていく。

 
 いろいろ調べたんですが面白いですね。

 立春が2月4日頃ですが、旧来は立春がお正月だったらしい。これには納得。

 だって今のカレンダーの元日、1月1日って、思いっきり寒いじゃん。子供の頃から「寒いなあ、こんな時期にお正月なの?」って、ずっと思ってました。

 立春が正月なら、まだ寒いとはいえ、お祝いするの、納得。

 ということは、その前日の節分が昔の大晦日(今のカレンダーでいうところの12月31日)ってことになる。だから地方によっては「節分そば」を食べるという。これも納得。

 実はわが家も来年からこれを見習うつもり。カレンダー通りの大晦日、元日はそれはそれでお祝いしますが、そもそも私、アルバイトだったりするわけで、それにやっぱり寒いですよ。

 だから節分が大晦日でそば食べて、立春がお正月でお祝い、ということにします(別にだからといってアルバイトが休みなわけじゃないですが)。



 要するに、自分の都合に合わせた季節の設定が大事なんじゃないかと。そうすることで却って、四季を意識した、四季に合わせた生活を送ることになるという不思議。

 仕事や趣味に合わせた四季、春夏秋冬を決めてしまってみるのも悪くないということで。



 付)上記の、私なりの暦で細かい話をいくつか。

 夏の時期は4つに分けてます。

 5月16日から6月15日を初夏、6月16日から8月15日を盛夏、8月16日から9月15日を酷暑、9月16日から10月15日を残暑、と勝手に決めました。

 冬は3つの時期に。

 12月16日から1月15日を初冬、1月16日から2月15日を厳冬、2月16日から3月15日を晩冬(初春)と勝手に決める。

 だから2月16日から3月15日は、冬から春への移行期、っていう位置づけです。


 注)自分なりの暦作りのため、これを買ってみました。



 なかなか役立ちます。これを参考にネットで調べたりもしました。

 今後は毎年買ってもいいかなと。


 蛇足)この自分の暦に合わせ、飲む酒の種類も変えようかと画策中。夏はビールかハイボール、秋はワイン、冬は日本酒か焼酎、春はウイスキーの類とか。酒飲みはろくなこと考えない。

 でもこうでもしないと、もう日本酒なんて好きなくせに飲む機会がほぼないじゃん。

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