何が起こったのか?とフロントパネルを眺めると、
ガソリンのレベルゲージが点滅している。
「Oh, Shit!」と悪態をつきながら、こぶしをふりあげハンドルに叩きつける。
『このあたりでガソリンスタンドというと・・・』
やはり Elmwoodの交差点が一番近い。。。
雪は刻々と量を増し、路面があっと言う間に白く染まってゆく。
いま走ってきたばかりの道を引き返し、比較的混んでいるスタンドに入った。
治安が悪い場所なので、SELFしかない。
キャッシャーは、ここまで防御する必要があるのか?と思わせるほど堅固な防弾ガラスに囲まれた室内からマイク越しに問いかけてくる。
「クレジットカードで払いたいんだけど、日本のカードだからZIP CODEが入力できないんだよ」
「それに満タンにしたいから、後精算で入れさせてよ」と頼むと、結構愛想のいいオバチャンで、快諾してくれた上、事細かく給油の仕方まで教えてくれる。
黒人の多い地域では、クレジットカードでの支払いでも、いちいちIDの提示を要求される。 それだけ盗難が多いのだろう。
パスポートを見せると
「へぇ~日本からねぇ。 よく来たね」
「でも、雪降ってあぶないから、気をつけて運転しなよ」と助言を受けながら、やっとのことでホテルを目指す。
雪はすでにインチ以上積り、やっとのことでホテルに到着し、慎重に駐車場に車を停車させ、フロントに向かった。
「○○○○から予約が入っていると思うんだけど」と言うと
予約リストを探しながら、何故か眉間に皺をよせている。
「・・・探しても、その名前も、予約元からのメールも見つからないんだけど。。。」
「じゃあ、空室あるかな?」と尋ねると
残念ながら、この天候で飛行機のキャンセルも続き、空港周辺のホテルはほぼ満室だという。
時刻はすでに夜10時。
車に戻り、携帯を使って日本からネットを使って空室を探し、予約入れてもらおうと試みるも、いつまでたってもつながらない。 アメリカの携帯も 日本の携帯もダメ。。。
ガソリンは入れたばかりだから車内に居る限り安心なものの、フロントガラスの雪はどんどん厚みを増してゆく。
もしかしたら、このまま雪の中に閉じ込められてしまうのか
雪の厚み以上に不安が増してきた。
(またまた続く)