書の歴史を臨書する

古今の名磧を臨書、最近は米フツ。
時折、気の向くままに漢詩や詩、俳句などを勝手気侭に書いております。

習作  王維詩「鹿柴」 

2012-07-05 08:55:02 | Weblog

空山不見人

但聞人語響

返景入深林

復照青苔上

 

 

鹿柴(ろくさい)

 

空山(くうざん)人を見ず

但(ただ)人語の響きを聞くのみ

返景(へんけい)深林に入り

復(ま)た青苔(せいたい)の上を照らす

 

 

木の葉が落ちつくしてひっそりと静まりかえった

山の中に人かげは見あたらない。

しかしどこからか、わずかに人の声が聞こえてくる。

夕日の照り返しが奥深い林の中へとさしこんで、

みどりの苔を照らし出している。

 

王維(701-761)

 

盛唐の大詩人。

南画の祖として山水画をよくした、

書家としても知られ、音楽にもすぐれていた。

熱心な仏教信者で「詩仏」と称せられた。

陶淵明の流れを受け継いで「自然詩」を完成した。

蘇軾は王維の詩と画とを評して

「詩中に画有り、画中に詩有り」と述べている。

 

 

古典解釈シリーズ 『漢詩』 旺文社 による