米フツ・楽兄帖 2006-09-30 08:41:49 | Weblog 米フツ(1051-1107) 字は元章。 高級官僚として各地を歴任したが、 先の蘇軾、黄庭堅が進士であるのに対し、彼は縁故関係で官僚になっている。 書画に通じ、鑑識にも通じ多くの名跡を収蔵した。 異常に近い潔癖症であり奇行も多かった。 蘇軾の行雲流水、黄庭堅の超逸絶塵、米フツの天性自然と言われるように、 三者三様である。 米フツの書は平淡天真とも言われ、気取らないで自然さに特徴がある。 楽兄帖(1094) 友人への返書である。 閑職の身になった顛末と心境を淡々と述べている。
黄庭堅・松風閣詩巻(1102) 2006-09-29 07:29:54 | Weblog 黄庭堅が四川に流されてからの作に秀作が多いが、 この書も最も著名な書の一つである。 自作の詩を書いたものだが、 黄庭堅は、 詩の世界でも名高い江西派の祖でもあるのだ。
黄庭堅・范滂伝(1105) 2006-09-28 07:03:00 | Weblog 清節な人物として名高い漢の范滂の伝を請われて書いた。 流謫中であった黄庭堅が漢の同類の先覚先人を偲んで書く気になったのであろう。
黄庭堅・伏波神祠詩巻(1101) 2006-09-27 08:19:22 | Weblog 唐の詩人、劉禹錫の詩を書いたものである。 末尾に黄庭堅の自跋がある。 その中で「背中にできものが出来て思うように書くことが出来なかった」 あるが、暗に自負した謙遜であろうとされている。 それ程に円熟の境地にある書なのだ。
黄庭堅・書与張大同巻(1100) 2006-09-26 08:05:19 | Weblog なんとも大胆不敵な書だ。 遠く南宋の皇室に伝わったいたものを、 戦後、張大千と言う人が大金を積んで入手したと言う 現在、細川家に有ると言う。 一度、この目で見てみたいものだ。
黄庭堅・寒食詩巻跋(1100) 2006-09-25 06:26:46 | Weblog 蘇軾の寒食詩の後部に黄庭堅が入れた跋である。 歴史上の名蹟が並んだ珍しい例である。 私は気迫の濃さで黄庭堅に軍牌を挙げる。
黄庭堅・王史二墓誌稿 2006-09-23 07:08:14 | Weblog 王と史の二人の墓誌銘の草稿、 一巻に二つの墓誌銘が装丁されている。 楊守敬は、これぞ黄庭堅の真蹟であると声を大にしたと言う。 巻末には、董基昌はじめ楊守敬等の跋に混じって犬養木堂、中村不折の観記がある。
黄庭堅・草書七言絶句 2006-09-22 06:29:02 | Weblog 黄庭堅(1045-1105) 字は山谷。 蘇軾を師と仰ぎ深い親交が有ったが故に、政治家としては不遇であった。 豪放磊落にして自然流の蘇軾に比して、 黄庭堅はひたすら古人に学ぶ努力の人であったらしい。 その書風も 肉が薄く痩せているが骨格が露で強く、 逸機の強い精神性を示す。 草書七言絶句 張旭、懐素を学び切って到達した黄庭堅独特の境地を見る。 奔放そうで繊細、力強いが風韻を感じる。
蘇軾・成都西楼帖(1168) 2006-09-20 06:28:02 | Weblog 後の南宋時代に成都の知事が蘇軾の書を集めて石刻したもの。 原石は喪失しているが宋時代の拓本が残っている。 こに宋拓が蘇軾の真蹟として伝わる最も信頼出る物なのだそうだ。