やまがた好日抄ーⅡ

低く暮らし、高く想ふ! 
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「葵 徳川三代」

2022-01-16 | 文化的なもの
12月中旬から一か月ほどかけて「葵 徳川三代」のDVDをすべて見てゐました。
ゲオさんからのレンタルです。


20年ほど前のNHKの大河ドラマですが、放送時もいくつかの回は見た覚えがありますが、かうして一気見すると色々面白いことに気が付きます。

昨今とは違ひ、合戦シーンも豪快で雄大、衣装も豪華賢覧で十分な見ごたへがあります。
ストーリー自体は、定説にいろいろなエピソードをからめて、いわば正攻法の時代劇です。
斬新な解釈や新解釈はほとんどなく、ある意味教科書通りです。

何よりも家康役と淀殿役の役者がはまり役で、その丁々発止ぶりがとても面白い。
登場してくる人物が膨大な人数になるので、若い役者になると武家言葉のセリフが至極下手で(子役は仕方ないとしても)やや興ざめでした。

まうひとつ不満だったのは、後半になるとほとんど徳川ファミリーの場内劇になってしまひ、これは最初からですが、市井の人々の生活や苦しさや喜びが一切そぎ落とされてゐることです。
それを入れるとドラマ自体が構成不能になるのはわかりますが、歴史は武家や朝廷だけで成り立ってゐるわけもなく、なにかひと工夫あってもと思ったものです。

徳川の幕藩体制の基礎は家光までのまさに三代で定まったといはれてゐますが、まったく何もないところから、そのシステムを創りあげ260年余の歴史を創ったことの難解さを改めて思ひました。
ただ、最初から最後まで一強その他といふ体制だったこと、そしてドラマの後半に頻繁に現れる朝廷との微妙なパワーバランスがやがて末期に薩長によるクーデターを誘発させる要因がすでに芽をふいてゐたことを改めて知ることになりました。

そして、ドラマのまう一本の流れでもある浅井三姉妹のストーリーがとても面白く、早速に県立図書館で関連の本をいくつか借りてきました。




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