半澤正司オープンバレエスタジオ

20歳の青年がヨーロッパでレストランで皿洗いをしながら、やがて自分はプロのバレエダンサーになりたい…!と夢を追うドラマ。

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第100話

2018-06-15 09:28:48 | webブログ
おはようございます、バレエ教師の半澤です!
http://hanzanov.com/ ホームページ
http://hanzanov.com/official/オフィシャル ウエブサイト)
皆様、2018年12月26日(水)に私の発表会があります。
もし、良かったら出演してみませんか?バリエーションでも良いですし、
グランパドドゥでも良いですよ!もちろんコンテンポラリーでも
良いですし、オペラでも舞台で歌います?
どうぞ、どんどん出演してください。
私のメールアドレスです。
rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp

連絡をお待ちしてますね!!
http://fanblogs.jp/hanzawaballet3939/
朝は11時から初中級レベルのレッスン、夕方5時20分から初級レベルの
レッスン、夜7時から中級レベルのレッスンがあります。
皆さま、お待ちしております!

Dream….but no more dream!
半澤オープンバレエスタジオは大人から始めた方でも、子供でも、どなたにでも
オープンなレッスンスタジオです。また、いずれヨーロッパやアメリカ、世界の
どこかでプロフェッショナルとして、踊りたい…と、夢をお持ちの方も私は、
応援させて戴きます!
また、大人の初心者の方も、まだした事がないんだけれども…と言う方も、大歓迎して
おりますので是非いらしてください。お待ち申し上げております。

スタジオ所在地は谷町4丁目の駅の6番出口を出たら、中央大通り沿いに坂を下り
、最初の信号を右折して直ぐに左折です。50メートル歩いたら右手にあります。

日曜日のバリエーションは「ファウスト」からのワルプルギスのヴァリエーション
です。テンポの良い音楽と独創的な振り付けは実に魅力的!さ、一緒に紐を
解いてみましょうよ!皆さんと一緒に学びましょうね。
ではクリスタル・ルームでお待ちしておりますね
連絡先rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp

ハピタス
その買うを、もっとハッピーに。 | ハピタス

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
モスクワでの最初のバレエレッスン
第100話
ドジンスカヤ先生は通常のバレエミストレス(指導する
立場の女性の先生)とは違って、実際に自分が動いて
見せるのではなく、言葉でしか伝えないようであった。
舞台の一番奥にいるショージからは遠く、舞台の前面で
客席に背を向けて座っている先生は蚊が泣く様な小声
なので意味が不明で、説明が分らないまま、いきなり
ピアニストが演奏をし始めた。

それに合わせてドジンスカヤ先生は手を動かして
「アー、ラース…!」これはロシアのバレエの先生が
レッスンを始める時や、動く瞬間などに使う本来の
数字の「1」の意味なのだが、本来のロシア語の
数字上では「1」はアジンと言う。何故、「ラス」
と言う言葉を使うのかは今のところショージも知らな
かった。しかし、とても響きの良い言葉だ。

一斉に全ダンサーがバシッと足のつま先を完全に
180度に開き、一番ポジションに用意をしてバレエの
稽古で必ず最初に行う動作のデミプリエ(両膝を
曲げること)に入って行く。

ヨーロッパの何処に行っても外国人という事を意識
させられ、言葉の壁があったショージにとって、
バレエをしている時だけが、自分自身が存在している
という事を実感した。常にショージの脳裏に付きまとい
悩み続けた自問自答の「何の為に生れて来たのか?
お前はただの肉の塊なのだ…」から抜け出せる唯一の
脱出口であった。今こうして見ず知らずのショージをも
混ぜてもらい偉大なドジンスカヤ先生、そして素晴らしい
ダンサーたちと一緒に踊る事が出来るというのが何と
幸せな事なのだろう!

ピアニストの両手で強く叩きつけるように演奏される
ピアノの音と共に、ダンサー同士が同時に命の
ありったけを燃焼出来る…これこそが、ショージを
また明日に向かって生かせてくれる機動力になり、それが
あるからこそ、もっとやろう、頑張ろう、生き抜いてみせる!
と、大袈裟になるかもしれないが勇気を湧かせる事なのだ。

「ああ…バレエって本当に素晴らしい…こんなにも
力をくれる…バレエをやって来て本当に良かった!」と、
ドジンスカヤ先生のレッスンの始まりにはそう思って
いた。ところが、段々とレッスンが進行して行くうちに
とんでも無い事になり始めた。周りのダンサーたちは
平然とやっているドジンスカヤ先生のステップの
組み合わせが恐ろしく難しくなって来たのだ。

そしてあまりにも複雑で分からないものだから、自分の
前のダンサーや周りのダンサーの動きを盗み見している
内に、そのダンサーたちの半端じゃない才能に目も
パチパチとさせながら、「げ~っ!何じゃこのスーパー
ダンサーたちは!?」段々と身体の震えが起き、
足がもつれ頭が真っ白になった。

 このバレエ団の中にはまだ若い、18,19歳のような
ダンサーたちもいれば、かなり歳をとっていそうな
ダンサーもいたが、一つ共通して言えるのは、この
ダンサーたち全員が半端じゃ無いほど凄いと言う事だ。
女性も凄けりゃ、若いのもおっさんダンサーも凄過ぎる!
そう言えばレッスン前に、女の子に頼んで芸術監督の
部屋に連れて行ってもらったけれど、あの小部屋にいた
芸術監督を前にショージは緊張していたので、
「レッスンを受けさせてください…」とお願いするだけで
精一杯であったが、「ミニャ ザブートゥ ゴルデーエフ…」
って確かに言ってた。ゴルデーエフってボリショイバレエの
花形スターでショージが憧れていた、スーパーダンサーの
ゴルデーエフか?「んぎゃ~っ!僕はゴルデーエフと喋って
たんじゃん…!」
(つづく)

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