脳のミステリー

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目に優しく耳に心地よく・・・高齢者・老齢者に必要な感覚

2010-06-01 15:12:06 | Weblog
今年に入って、3月9日に『聴覚に耳寄りな発表が~~~』というタイトルでブログに書き綴ったが、5月2日には、視神経再生成功という素晴らしいニュースが日米チームから発表されたのである。

これは何と「緑内障治療」に期待出来るというニュースである。
日本では、最大の失明原因である緑内障など視神経の傷みが原因で視覚障害を起こす病気は多く、日米の共同研究チームは「新たな治療・予防法の開発に繋がる」と期待している。
多くの人が知ってる様に、視神経は、網膜で受け取った視覚情報を、眼球から脳に伝える働きをしている。

視神経を再生させる仕組みを突き止めるとともに、傷付いた視神経を再生させることに、
東京都神経科学総合研究所など日米の共同研究チームがマウスの実験で成功したというのである。
朗報!
日本で最大の失明原因である緑内障など視神経の傷みが原因で視覚障害を起こす病気は多く、チームは「新たな治療・予防法の開発につながる」と期待し、米科学アカデミー紀要に発表した。
視神経は、網膜で受け取った視覚情報を、眼球から脳に伝える働きをしている。
ヒトの場合、網膜表面に並んだ細胞体から長さ約7センチの視神経が約100万本、脳に向かってコード状に伸びている。
同研究所分子神経生物学研究部門の行方和彦研究員(分子生物学)と原田高幸部門長(眼科学)らは、神経細胞でしか働かないDock3(ドックスリー)というたんぱく質に着目した。
培養中のマウスの神経細胞に、このたんぱく質を作る遺伝子を導入すると、
手のひら状の視神経の先端が活発に動き、伸びることを確認した、という。
次に、このたんぱく質を作る遺伝子が、野生型マウスの約5倍強く働く遺伝子改変マウスを作成して、眼球近くで視神経を傷付けたところ、野生型の視神経はほとんど再生しなかったのに対し、改変マウスでは大幅に再生した。
Dock3は、視神経の先端で細胞の骨格を作る仕組みに刺激を与え、再生を促すとみられる。
同様のたんぱく質を作る遺伝子はヒトにもあり、原田眼科部長は「視神経は一度傷付くと治療できないのが現状だが、傷んでも(根元部分の)眼球内の細胞体は一定期間、正常のまま保たれる。
この間にDock3による遺伝子治療などで傷付いた部分を再生できれば、視覚機能を回復させることが可能だ」と話している。

老人性白内障は高齢化して髪の毛が白髪になるのと同じように目も老いてくるのは当然と言える。
20年前は、水晶体を全部摘出して厚い凸レンズの眼鏡をかけるのが普通で、手術後の安静や1週間程度の入院が必要だった。
最近の白内障手術の進歩は目覚しく、現在では、手術法が進歩し3mm程度の小さい切開から手術できるようになったために、短期間の入院か入院しない手術が可能になった訳だ。
また、人工水晶体の進歩により、術後厚い眼鏡が必要なくなった。

老人性白内障とは水晶体という部分が白く濁ることである。
水晶体は、水晶体嚢という袋と皮質という中身よりできている。
40 歳くらいから皮質には固い部分ができてくるのだが、これを核という。
水晶体は、ほとんど蛋白でできていて、その蛋白が加齢による変化で白く濁ってくるのが老人性白内障という訳である。

白内障の症状は 目やにが出る、涙が出る、眩しい、疲れる、見え難い、すっきりしない、新聞が読み辛い、夜運転し難い、二重に見える、視力が下がった、肩が凝る、光が眩しい、
眼鏡が合わない、目が痛い、ごろごろする、近くが見えるようになった、など様々な症状の訴えがある。
白内障が進行すると、水晶体の屈折率が変わり近視になる。
元々近視の人は老人性白内障になるのが遅い理由が何となくわかる様な気がする。

では、一番の感心は白内障は予防できるのか、という事だろうと思う。
私も今年で65歳、列記とした高齢者の仲間になるのだから、これはチョッと気になる。
ブルーベリーが良いとか、ヤツメウナギが良いとか言われているが、決定的な予防法は残念ながらない。
紫外線がよくないという事は実験されているので、1日中、外で働いている人はサングラスを使ったほうが良いかもしれない。
因みに 私は20代の頃からサングラスは必ず使用しているので、生活の必需品になっている。

個人差があるのは、加齢による変化だから、80歳で何ともない人がいたり、50歳で手術が必要な人もいる。
ただ、詳しく検査すれば70歳以上の人は必ず白内障があるらしい。

手術の時期だが、「見えなくなってから手術するように言われた」という人がいるが、
何十年も前は、そのように説明していた時代もあったようだ。
当時は手術の成功率が低く、手術した為に見えなくなることもあったのでそのように説明したのかも知れない。
現在では、人による必要な視力は違っているが、大体の基準は、車の免許を取りたいならば0.7 以上、新聞をスラスラ読みたいならば0.5 以上の視力が必要だろう。
視力は条件の良いところで測定しているので、白内障があると視力が1.0 あっても太陽光のもとでは殆ど見えなくなったり、夜間に対向車の光が眩しくてよく見えないなどのことが起きるが、そんな場合は、視力が1.0 あっても手術が必要という事になるだろう。
   
年齢による変化だから、若返りの薬がない限り良くなることはないし、点眼は進行を遅らせるものと思っていたらいいのではないだろうか。
白内障が進行して、水晶体が膨らんで緑内障になることがあるが非常に稀なことである、と眼科医は言う。
白内障が進み過ぎると手術が面倒になり、視力の回復にも時間がかかり、合併症も増えるから、手遅れとなってあまり進行する前に手術したほうが良いのは確かだと聞いている。

手術の成功率はほぼ100%で、合併症は、後嚢破損(水晶体の後ろの袋が破れる)、
硝子体脱出(後嚢破損が広がり目の中のどろっとした液体が出てくる)、
水晶体核落下(核が眼内に落ちてしまう)、術後感染などがある。

私は 19の厄年に目の病に襲われた実姉の手術に立ち会った経験があるから・・・何とも言えない。彼女の担当医は素晴らしい名医で「今はドイツの最高の点眼をして進行を止めるが、30年位経ったら再発するかもしれない」とはっきり言った。あの時の眼科医は見事に30年以上も持たせてくれたのである。再発が50歳を超えてからだったから・・・

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