STARGAZER by Rainbow
私はこの曲が入っているアルバムをリアルタイムで体験した。
十代の頃だった。
アルバムタイトルは「虹を翔ける覇者」。原題は「Rainbow Rising」。
そして今回取り上げる曲は、「スターゲイザー」という曲。
LPではB面の1曲目に入っていた曲だ。
レインボーは、あの元ディープパープルの看板ギタリストだったリッチー・ブラックモアがディープパープルを脱退して結成したバンドだった。
当時、ディープパープルはレッド・ツェッペリンと並ぶハードロックのトップバンドだった。
特に日本ではハードロックファンの人気を2分していたと思う。もちろん他にもハードロックの名バンドはたくさんあったけど、私の印象ではパープルとツェッペリンこそツートップのように思えていた。
一部のファンの間ではパープル派とツェッペリン派に分かれていた風潮もあったが、実際のところ当時のハードロックファンの多くは、どちらのバンドも好きだったと思う。
そんなパープルの、しかも看板だったリッチーがパープルから抜けてしまい、パープルのその後を心配すると同時に、リッチーの次のバンドが非常に気になった覚えがある。
で、リッチーは、「リッチーブラックモアズ・レインボー」という新たなバンドを結成。
そのアルバムが非常に気になった私だったが、金欠でもあったので、そのアルバムを買った友人と、私の持ってた某バンドのアルバムを交換してもらい、入手。
で、そのファーストアルバムは「銀嶺の覇者」というアルバムだったのだが、私は大好きだった。
後にして思えば、多少おとなしめではあったかもしれないが、名曲がけっこう入っており、特に「銀嶺の覇者」「虹をつかもう」「王の宮殿」などの曲などは、特にお気に入りだった。
なので、アルバムの方もかなりのお気に入りになった。
演奏内容的には、ともかくリッチーのギターとボーカルのロニーの2人の存在感が圧倒的だった。
そんなリッチーブラックモアズレインボーがセカンドアルバムを出すことになった。
セカンドでは、「リッチーブラックモアズレインボー」というバンド名ではなく、シンプルに「レインボー」名義になった。
リッチーのネームバリューに頼らなくて、バンドとして、勝負をかけてきた気がした。
ファーストですっかりファンになっていた私は、セカンドにも飛びついた。
確か当時、レコード会社もこのセカンドを強力プッシュしており、なんとオープニングの部分を「触り」だけソノシートに入れて、無料配布してプロモーションしていた気がする。
レコード屋で何か買い物をした人に配布される宣伝材料としてのソノシートだった。
レコード会社としては、このセカンドアルバムを聴いて「これは絶対売れる!」と判断したのだろう。異例のプッシュぶりだった。
結果的に、このアルバムは大好評になったので、レコード会社の担当者の目は確かだったのだろう。
アルバムのオープニング部分の触りだけ収録されたソノシート音源にも私は惚れ込み、アルバム本体を購入。
すると・・
ファーストでリッチーのギターとロニーのボーカルが目立っていたサウンドに加え、新たに凄まじいドラムがサウンドメインに加わってきた。
新加入のコージー・パウエルのドラムだった。
ともかく、アルバム1曲目「タロットウーマン」のドラムの入り方は衝撃だった。
バンドの売りが、リッチーのギター、ロニーのボーカル、そしてコージーのドラム3人になった。
で、アルバムは充実した内容で進み、LPはB面に入る。
そこで出てきたのが、今回取り上げる「スターゲイザー」であった。
ドラマチックな構成、中世のような世界観、メロディアスなフレーズ、などなどまさに圧巻の出来栄えだった。
このアルバム、LPではB面にはたった2曲しか入ってなかった。
B面は1曲1曲の尺が長いのだ。
だが、B面の2曲の出来ばえは、長さを感じさせない大傑作だった。
長い分、構成が凝っていて、ドラマチックだったのだ。
聴きごたえ満点だった。
全体的に最高の楽曲なのだが、特に個人的に圧巻だったのは、間奏。
ともかくリッチーのギターワークが素晴らしいの一言。
もちろん、さく裂するコージーのドラムも凄いし、曲全体でのロニーのパワフルなボーカルも見事。
間奏部分のドラマチックなアレンジは、リスナーに高揚感を与えまくる。聞き惚れてしまう・・としか言えない。
聴いてると、自分は今、現実を離れて、異世界にいるような気分にさせられた。
当時私の家にロック好きな友人が来ると、必ずこのアルバムを聞かせてた覚えがある。
特に、B面の大作2曲には、皆圧倒されてた。
「こりゃ久々のホームランだ!」と叫ぶ奴もいたぐらい。
そういう反応を聞くと、私も嬉しくなり、私の手柄でもなんでもないのに、
「だろう?すごいだろ?」
と、なぜか自慢したりしていたものだった(笑)。
このアルバム、ともかく毎日聴き続けていた覚えがある。
「スターゲイザー」以外の曲もどれも良かったから、聴く時はアルバム丸ごとだった。
アルバム丸ごと聴いてこそ、このアルバムの良さが分かる気がしていたから。
元々リッチーは日本でも人気あったし、さらにアルバムの内容が素晴らしかったため、日本でも、このアルバムはよく売れたと思う。
このアルバムでレインボーは、日本ではパープルに負けないぐらいの人気バンドになった。
売れ行きや人気が沸騰したので、日本公演にも繋がった。
私はロック好きな友人たちと一緒にレインボーの来日公演を見に行った覚えがある。
そう、リッチー、ロニー、そしてコージーがいた最強の時代のレインボーのコンサートに。
リッチーやロニーの素晴らしさは当然だが、ともかくその時のコージーのドラムはライブでも最高にかっこよかった。
叩いてる途中で、スティックの1本を高く垂直に宙に放り投げ、落下してきたそのスティックをキャッチし、何事もなかったかのようにドラムを続けていた。
1本のスティックが宙を飛んでる間、スティックは1本だけでドラムを叩いているはずなのに、手数が衰えない。
しかも、キャッチするタイミングが、リズムにしっかり合っており、ドラミング全体に何のブレもなかった。
いやあ、名人芸。カッコよすぎでしょ。
ライブ終了後、興奮が収まらない私たち。
歩きながら、リッチーの仕草の真似までしていたと思う。
一緒に見に行った友人の中には、熱心なツェッペリンのファンのM君もいたのだが、そのM君など「おい、みんなでリッチーのファンクラブ作らねえか?」と言いだす始末。
ともかく、このセカンドアルバムの余波は凄かった。
その後、このアルバムは今でもハードロックの歴代名盤リストにはよく入ってくるアルバムになり、ハードロック史に残る名盤として評価されている。
レインボーの名作セカンドアルバム「ライジング(虹を翔る覇者)」。
このアルバムの中からどれか1曲をこの記事で取り上げるなら、この「スターゲイザー」にしておくことにする。
中性ヨーロッパのクラシカルな香りのする、極上のハードロックの名曲を。
なんでも、リッチーは、レッド・ツェッペリンの「カシミール」という曲にインスパイアされてこの曲を作ったそうだが、実は私はツェッペリンの曲でも一番好きな曲は「カシミール」である。
この「スターゲイザー」が、中世ヨーロッパの香りがする中にも、どこかエスニックな要素も感じされるのは、そのためかもしれない。
私は、そういう曲が「好み」なのだろうな・・と思う。
この曲をコピーした、あるアマチュアバンドは、この曲を演奏してると陶酔してきて、いつまでもこの曲の世界観の中に居続けたくなる・・と語っていたらしい。なんか、わかる気がする。
こんな凄い曲を残したボーカルのロニーも、ドラムのコージーも、もうこの世にはいない。
寂しく、悲しいことだ・・。
でも、ファンは知っている。彼らがどれだけ素晴らしいミュージシャンであったかを。
こんな素晴らしい曲を残したミュージシャンがいたということを。
それはこれからも記憶されていくだろう。
彼らの残した、こういう曲があるのだから。
会いたくなったら、この曲を聴けばいい。この中に彼らは、ずっと居続けるのだ。
https://www.youtube.com/watch?v=W6CjO0H2j0s
「本当に大ファンなんだな」という事が、私の胸にも突き刺さってきます(笑)
YouTube拝聴致しました。
「ザ・ハードロック」にふさわしいですね!
だんぞうさんが、かつて結成していらっしゃったロックバンドにも、やはり影響はありましたか?
又、リッチーが抜けたパープル、その後どうなったのでしょうか?
このアルバムで、レインボーの人気は日本で沸騰したんですよ。
リッチーは元々知名度のあるスターギタリストでしたが、ボーカルのロニーはこのバンドに加わることで、ハードロックのスターボーカリストになりました。
ドラムのコージーの知名度も大ブレイクしました。
来日公演を見ておいてホントによかったと思ってます。
私の組んでたバンドには、…どうでしょうね。自分では何ともいえません。
パープルは、メンバーチェンジをしなから、活動継続していったと思います。
にゃっぷーは
ダウントゥーアースを持っていました。
今も実家のどこかにあるかどうか?
yesやpoliceはCDも買いましたが。
ダウントゥーアースは、ボーカルのディオが抜けたあとのアルバムでしたよね。
私、すみません、聴いてないのです。
レインボーは、メンバーチェンジが多かったんですよねえ…。
それだけリッチーの権限が強かったのかも。
リッチーの方針に合わないと、メンバーは自ら脱退したり、クビにされたりで。
私はやはり、ロニーとコージーがいた頃がレインボーにとっては最強時代だったのではないかと思ってます。
イエスは、ともかくジャケットが好きでした。
ポリスも好きでしたよ。
コージーパウエルのオーバーザトップ、LP持ってましたが、CDも買いました。
すごくかっこいいと思っています。
ただ、LPを買った時からずっとジャケットのバイクに乗ったコージーの写真の頭が大き過ぎてアンバランスに見えるなと思っています、😅
早死にしたのが残念でなりません。
彼は。ドラムの次に関心があって好きだったのが、車だったと語ってたことがありました。
でも、そうですか、バイクも彼には欠かせないものだったのかもですね。
死因も車ですもんね。
ボーナムもコージーも、まだまだ活躍してほしかったです。
もったいない限りです。
時間の外にようこそ。
レインボーの来日公演では客にトラブルが起きたことがあり、メディアで報道されたりしましたね。
バンドメンバーのせいではなかったと思いましたので、気の毒に思った覚えがあります。
当時の警備体制、PA、会場などに拙い要素があったのかもしれません。
まあ、今となっては、詳しいことは私にはわかりませんが…。
それにしても、ロニージェイムズディオも、コージーパウエルももういないのですよね。
寂しい限りです。