お馴染みの、「某・居酒屋マスターの、お宝ソノシート・シリーズ」。
このシリーズ、なんだかんだで、もうこれで10回目になった。
今回は、忍者・特撮ドラマ「仮面の忍者 赤影」だ。
原作は横山光輝。
ウィキペディアによると、TV版は
「フジテレビ系列で1967年(昭和42年)4月5日~1968年(昭和43年)3月27日まで特撮テレビドラマ『仮面の忍者 赤影』として実写化され、全52話で毎週水曜日19:00 - 19:30に放送された」とある。
実はこの作品、TV版が放送されてた当時は、漫画版は読んだことがなかった。
数年前に漫画版を読んだのだが、私がリアルタイムで見てた特撮ドラマ「赤影」は、漫画版とだいぶ感じが違ってたんだなあ・・と感じたものだ。
やはり私にとってはTV版の特撮ドラマバージョンが一番心に残っている。
もう・・・大好きだった!
今思うと、時代劇のくせに、近代兵器みたいのは出てくるわ、ウルトラマンばりの大怪獣は出てくるわ、生身の人間が空を自由に飛ぶわ、いやはやハチャメチャだったのだが(笑)、その痛快感はたまらなく楽しかった。
よくもまあ、あそこまで「ぶっ飛んだ」作品になったと思う。
それでいて、ちゃんとした時代劇っぽい雰囲気もあったりしたから、メリハリも効いてたなあ。
そういや、数年前。
私は飛騨高山方面に旅した。飛騨高山の駅に降り立った時、思わず「赤影」を思い出してしまったもんだった。
赤影・白影・青影は、飛騨の忍者・・という設定だったからね。
何気に街のお土産屋に入った時、店内で今も「赤影スナック」というお菓子が売られているのを見て、無性に嬉しくなった覚えがある。
本放送から何十年も年月がたっているのに・・。
飛騨の赤影は、今も飛騨高山の街に根付いているのかな・・。
だとしたら、けっこう嬉しい。
さて。
主人公「赤影」を演じたのは坂口祐三郎(その後、「坂口 徹郎」「 坂口 徹」と改名)さん。
この人が非常にハンサムでね。
そういや、以前「素浪人・月影兵庫(主演は近衛十四郎)」をビデオテープに録画したものを見てた時、「赤影」を演じる前の若かりし坂口さんが出てたことがあったが、元々そうやって時代劇に出演してた俳優だったので、時代劇であるこの赤影も似合っていたなあ。カッコ良かった。
特撮ドラマでありながらも、ちゃんと時代劇らしさも出てたからね。
赤影は、普段は仮面を外して旅していたので、その素顔を見せることは多かった。
坂口さんの美男子ぶりにゾッコンになってしまった主婦は多かったという。
そう、子供だけでなく、大人の女性も見ていた・・ってことになる。
坂口さんが赤影に抜擢されたのは、その「目に光がある」点が買われたかららしい。
確かにきれいな目で、華やかで光のある目だった。
主題歌の歌詞通り「涼しい目」そのものだった。その歌詞に偽わり無し!
この作品には赤影の他に、白影、青影の2人がいて、事実上この3人が主人公みたいなもんだった。
白影は、あの牧冬吉さん。
河童の三平、月光仮面、・・その他、当時の子供向け番組によくでていた役者で、子供からの人気も高かった。お馴染みの役者さんだったし、親近感もあった。
もともと、暖かく人の良さそうな感じで、それでいて少しとぼけた感じのある役者さんで、白影の役はまさにハマり役だったと言える。
主題歌じゃないけど、白影は「やさしいおじさん」だった。
蛇足ながら、牧さんは、私の学校の某・先生と同じ顔をしていた(笑)。
いや~、よく似てた~。
青影は、少年忍者だった。
演じたのは金子吉延さん。
河童の三平で主役を演じたのも印象深いが、この青影役も三平役と甲乙つけがたいほど印象深い。
ちょっとぽっちゃり系の少年だった。
青影の決めポーズに「だいじょ~ぶ」と言いながら、鼻の下に右手の親指をつけたまま手のひらを開くポーズがあったが、その仕草は当時かなり流行ったもんだった。私もしっかりマネした(笑)。
青影は、漫画版ではハンサム系だったのが、実写版では、コミカルでひょうきんで明るく元気な丸ポチャ少年だった。
で、この白影と青影と赤影がトリオで悪人をやっつける話だった。
やさしいおじさんの白影。
明るく元気な少年の青影。
そして、無敵の忍者、赤影!
イヨッ、名チーム!颯爽としていた、
この作品、オープニング主題歌がまた最高でね~。
イントロの、
♪タッタラタッタラ タッタッタッタッ タッタ~~ン!
タタタ タッタラタッタラ タタタタタ~!
タタ~ラ タタ~ラ タタ~ラ タンタン
タ~タラッタ タタタタタ~
というフレーズは超強力だった。
もう、このイントロを聴いただけで嬉しくなり、胸は躍り、ワクワクさせられ、一気に作品世界に引き込まれたものだ。
明るくノリがよいマーチで、オーラのあふれる主題歌だった。
そのキャッチーさは、ずば抜けていたと思う。最高の主題歌だった。
番組では、サブテーマソングも流されることがあった。
サブテーマは、いかにも伝統的な時代劇風の「勇ましい短調の曲」だった。
むしろ、時代劇には、あのオープニング曲は異色とも思えたくらいだった。
なんでも、坂口さんは、赤影終了後は、赤影のイメージが強過ぎて、あまり恵まれた役者生活はおくれなかったみたいだ。
ある日、何気に夕刊紙を見てたら、坂口さんがお色気系の記事を連載してるのを見て、少し驚いた覚えがある。
あまりTVや映画で坂口さんの姿を見かけないなあ・・と思って、残念な思いを持っていた私は、坂口さんの「お色気記事」の連載を見て、少しとまどったりしたっけ。
なぜ坂口さんに、もっと俳優として颯爽とした役がまわってこないのかなあ・・などと思って、正直寂しいものを感じたものだった。
ウィキペディアによると、坂口さんは
「父親を知らず、4歳で母親に捨てられ、祖父方で育てられる。」とある。
・・なんという境遇・・・!
失礼ながら、あまり恵まれた人生ではなかったのかもしれない(泣)。
赤影に熱中した者としては、あの赤影こと坂口さんが、そういう人生をおくった方だったなんて・・。
切なくなってくる。
でも。
赤影を演じてくれたおかげで、貴方は永遠のヒーローなのです。
我々の心の中に、いつまでも生き続けるのです。
貴方が赤影を演じてくれたおかげで、我々は「恵まれ」たと言えるでしょう。
天国の坂口さん。
きっと、今貴方がいる世界でも、モテモテですね。
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