復刻された、かつての少年月刊誌「少年画報」の昭和35年正月号を紹介するシリーズ、その6。
今回取り上げるのは別冊付録「赤胴鈴之助」。
作画は、武内つなよしさん。
赤胴鈴之介という作品は、1957年にラジオドラマ版とテレビドラマ版が製作されたらしい。
その後も、1972年にテレビアニメ版が製作されていた。
また、85年には、パロディドラマみたいな作品も製作されていたようだ。
そう考えると、実に息の長い作品だ。
元々は1954年に「少年画報」に、福井英一さんが連載を開始した作品だが、連載開始すぐび福井さんが亡くなられてしまい、そのあとを武内さんが引き継いで描き、大ヒット作品になったマンガである。
私は「赤胴」の最初のドラマはリアルタイムで見れた世代ではない。
だが、私より年上の世代の人は赤胴を見てた人は多かったようで、彼らが赤胴の主題歌をよく歌っているのを聞いてたおかげで、私は赤胴の主題歌だけは知っていた。
アニメ版に関しては、弟が見てたため、リアルタイムでその存在は知ってはいた。
マンガ版に関しては、私はこの作品をまともに読んだことはなかった。
なので、まともに読むのは今回が初めて。
で、読んでみた。
少し話はズレるが、子供の頃、実写特撮ドラマ「仮面の忍者赤影」に熱中したのだが、「赤影」の特撮ドラマは、時代劇なのにロボットが出てくるわ、赤影は空を飛ぶわ、ハチャメチャな要素が満載だった。
でも、そんな点が楽しかった。子供にとっては。
で、この「赤胴」の漫画版であるが、「赤影」に近いものを感じた。
時代劇なのに、リモコンで動く巨大ロボットが登場し、しかもそのロボットは空を飛び、火をはく。
大真面目な時代劇でこんなことをやってしまったらヒンシュクを買いそうだが、少年漫画であることを考えたら、これはこれで当時の子供にとっては楽しかったに違いない。
かつて私が「赤影」に熱中したように。
第一、赤胴の必殺技である「真空斬り」自体が、普通の剣法ではなく、竜巻という天変地異を引き起こす超能力のようなものであるし、根本的に通常の時代劇を超越したエンタテインメント作品だったということだろう。
ちなみに、赤胴は、「日本初のキャラクター玩具」が発売された作品だったらしい。
そしてそれが爆発的に売れたため、後の月光仮面や鉄腕アトムのキャラクター商品につながったらしい。
キャラクター商品は、アトムの後も、ウルトラマンやライダー、ガンダムなど、後の作品にも活かされ、それは制作サイドへの収入源につながっている・・というのは、皆さんもご存知の通り。
すると、この「赤胴鈴之助」の存在は、後の日本のマンガやアニメの大きな礎になったことになる。
そういうことを考えると、偉大な作品であり、アニメ・漫画史上の記念碑的存在である。
なるほど、年代を超えて何度もリメークされたのは、そしてその知名度は、ダテじゃないのだ。
↑ 別冊付録「赤胴鈴之助」の裏表紙。
どのキャラクターにも、今のキャラクターとの時代の違いは感じる。