時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

ウクレレと、牧伸二さん・・・

2013年04月30日 | 日々の、あれこれ

ギターを弾く人の中では、ウクレレも持っているという方は多いだろうと思う。

ウクレレは、ある程度ギターの応用で弾ける楽器。

もちろん、ギターとウクレレは別の楽器である以上、ウクレレにはウクレレの役割やアプローチ、効果などがあり、ギターとは違った奥の深さはある。

その一方で、気軽にアプローチできそうな雰囲気もあって、それはウクレレの大きな魅力である。

ウクレレと言えば、ハワイアンと一緒にイメージされることが多いが、こと日本人に限って言えば、ハワイアンに負けないくらい「ウクレレと共にある」イメージとして浸透していたのが、なんといってもマキシンこと、牧伸二さんであろう。

日本人にウクレレを広めた張本人の1人であることは間違いない。

その牧さんが・・・亡くなられてしまった。

ビックリすると共に、ショックだった。

私は幼い頃から牧さんの演芸をテレビで見ていたし、時にはウクレレ関係のムックで牧さんのインタビューを目にすることもあった。

牧さんがマーチンのウクレレを愛用していることを知った時は、マーチンギターを愛する私としては、更に親近感を持ったもんだった。

 

子供の時、私は、牧さんと林家三平さんが大好きだった。

芸風は全く違うのに、私はお二人に共通するものを感じていた。

共通するもの・・・それは、子供時代には、それが何であるか漠然としていたが、大人になって、お二人に「共通するもの」が何であるかが分かった。

それは、大人だけでなく、子供たちにも人気絶大であった・・ということだった。

当時も人気絶大な芸人はたくさんいたが、牧さんと三平さんはどちらも庶民的で、子供にも分かりやすくて親しみやすい芸風だったのだ。

だから、お二人のファン層は実に幅広かったと思う。

牧さんと言えば、私が一番忘れられないテレビ番組としては「大正テレビ寄席」があげられる。

番組内の1コーナーに「バーゲン」的なコーナーがあり、牧さんが「♪バ~ゲンだよ~~」と歌って始まるコーナーだった。

商品がステージに出てきて、お客さんが実際にお金を払ってその品を買うのだが、そのバーゲンの魅力は、何より「オマケ商品」が凄くて、買ったお客さんは必ずお金以上の品物を持ってかえれるコーナーだった。

はっきりいって、そのオマケが楽しみだった購買者は多かったはず。

しかも半端なくお得なオマケだった。

なので、ずいぶん太っ腹な番組にも思えたし、なにやら番組スポンサーまでも太っ腹に思えた。

その番組内での牧さんは、とっても暖かい方のように思えた。

お客さんを大事にし、お客さんに喜んでもらうのを何よりも喜びに思う、そんなサービス精神旺盛な芸人さんに思えた。

 

私が最初にウクレレを入手したのは、高校の頃だった。

ギターですら高額なギターを変えなかった当時、ギター以外のウクレレにまで手を出した時は、超安モノにするしかなかった。

その時買ったウクレレは、3000円クラスのものだったと思う。

で、ウクレレを楽器屋で手にした時に、条件反射のように弾いてしまったのが、牧さんの「あ~やんなっちゃった」だった。

考えて惹いたのではなく、無意識のうちに出てしまったのだった。それほど、牧さんの「なんちゃって節」は私の中に染み込んでいたのだろう。

おそらく、ウクレレを初めて弾いた時に牧さんの「やんなっちゃった節」をつい弾いてしまった方は多いのではないだろうか。

少なくても、日本人で、ウクレレを持った人の中で、牧さんの「なんちゃって節」を弾いたことがない人は・・・少ないんじゃないかなあ。

それほどあの曲は日本人に染み込んでいると思う。

 

時代がLPからCDの時代になって、色んなコンピレーションアルバムが世に出た。

私も、何種類ものコンピレーションアルバムを買ったが、コミックソングを集めたオムニバスアルバムの中では、しっかり牧さんの曲も入っていた。

「なんちゃって節」のイメージが強い牧さんだが、案外それ以外にもあれこれ挑戦してたことが分かる。

 

子供の時・・・・牧さんに親しみを持ってテレビを見てた時・・・・牧さんがああいう最後を迎えるなんて、予想すらできなかった。

なんでも、牧さんはあまり人とつるまず、孤高なところがあったという。

それが・・・そういうのが牧さんの心底にあったから、ああいう最後になったのだろうか・・というか、ああいう最後を選んでしまったのだろうか。

そう思うと、切なくて、やりきれない。

 

牧伸二さんのご冥福を・・・心から、心からお祈りいたします。

 

お疲れさまでした。

 

子供の頃から好きな芸人さんでした。

暖かく、軽妙で、とぼけながらも、庶民的で親しみやすく、分かりやすかった、その芸風は忘れられないでしょう、いつまでも。

いや・・

忘れません。

 

こんな訃報・・・・あ~やんなっちゃった・・・ですよ、牧伸二さん。

 


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