時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

野良猫と話せたら

2021年08月22日 | 日々の、あれこれ

我が家の玄関前にしょっちゅう居る野良の黒猫。

親しみをこめて、クロという名前で呼んでいる私。

玄関のドアのまん前にいて、寝ていたり、時には曇りガラスごしに家の中をのぞこうとしてたりする。

曇りガラスなので、内部は見えないのに(笑)。

それでも、これだけドアの至近距離にいたら、中の気配はわかるのかもしれない。

この猫は、この位置が定位置になったようで、まるで私が出てくるのを待ち構えているかのようだ。

実際ドアを開けて私が姿を現すと、とたんに私を見上げ、私の目を見つめて「ニャーニャー」鳴き出す。足元に寄ってくる。

ドアを開ける際、勢いよく開けると、ドア前の猫にドアがバタンと当たってしまうので、ドアの開け閉めはゆったりとやらねばならなくなってしまった(笑)。

そう、ドアを開けるのは慎重にならざるを得ないのだ。

おいおい、よりによって家の出入り口の前に居座るなよ~。

このままだと、まるで我が家の門番みたいじゃないか(笑)。

 

住人の私としては、上の写真のように玄関のドアにこうしてシルエットが丸見えなので、クロが来てるかどうか家の中ですぐにわかるのだ。

「今日も来てる」

「あれ、さっき餌あげたのに、まだいる」

「一日中そこにいるのかい?」

「そう待ち構えられてもなあ」

「いつ出てくるかわからない私を延々と待ってるんだとしたら、相当我慢強い猫だなあ」

などと思う私。

これが人間だったら、ほとんどストーカーなわけで(笑)。

 

最近では、餌をあげるために少しドアを開けっ放しにする時などに、家の中に一歩入ってこようともする。

その際、最初は頭だけをヒョイヒョイと内部に突っ込んでくる。何度か。

こちらの出方をうかがっているのか、用心深いのか。

その様を見下ろしてると、なまじこの猫は黒猫だけに、その丸い頭の形がまるでサンショウウオの頭のようにも見え、妙におかしくて。耳の生えたサンショウウオみたいで(笑)。

サンショウウオの頭の形も丸いし、色は完全な黒ではないにしろ、それに近い色だし。

 

実際、何度か全身入ってきたこともあった。もっとも、入ってきても1歩分ぐらいなので、すぐに外に戻れる位置なんだけど。で、私を見つめては「ニャーニャー」鳴きっぱなし。

 

最近は、家で玄関の前を通る時、ついドアの下部のほうを見てしまう私。で、クロのシルエットが見えると「お、いるいる」などと思ったりもする。

へたしたら、こうしてシルエットが見えると、少し安心したりもする。

飼えもしないのに、情が移ってしまい、飼ってあげられないことに何やら申し訳ない気持ちになる…。

返事が少し元気なさそうに聞こえたり、歩き方がモッサリしてたり、暑さが気になる時に姿が見えないと、「あいつ、どこでどうしてるかなあ」だの、「あの子、大丈夫かなあ」だのと心配してしまう。

 

そのうち、まったく来なくなったら、寂しくなるなあ。

 

数年前はともかく警戒心が強く、餌をあげるようになってからも長らく触ることはできなかったし’(触ろうとするとすぐに逃げたし、指一本でちょっとでも触ると、条件反射のようにジャンプして退却していた)、しかもその期間は何年も続いた。

そんな野良猫が、今では私の姿を見れば「ニャーニャー」鳴きながら寄ってくるし、腰をなでると腰を持ち上げて「もっと触って」みたいな仕草をする。

そして極めつけは、この記事の写真。玄関のドアの前で私が出てくるのを待っている感じ。

こんな状態になるまでに、何年もかかった・・。

 

この子は、人に飼われたことはないのだろう。以前の警戒心から言って。

なにせ、私が一歩近づこうとしただけで、クロは反射的に素早く数歩距離をとり、近づくことはできなかった。

過去に人に飼われたことがある野良猫は、あれほどには警戒心は強くなかったと思うし。

なので、このクロは、人に飼われるということがどういうことなのかは知らないであろう。

元々は我が家の前の駐車場に、たまたま住みついたことから始まった。

だが、家の主の私にだんだん慣れ、なついてもきて、より快適な環境がほしくて、家の中に入れてもらいたいだけなのだと思う。

飼ってもらう・・というより、餌がもらえ、雨風や暑さや寒さをしのげる環境がほしいだけなのではないかと思う。

 

だが、都心では今は猫を飼う場合は、完全に室内飼いで、外には出さないほうがいい・・・という話も耳にしている。

子猫の時から室内飼いに慣らしておけばまだいいかもしれないが、ずっと野良猫として生きてきて成猫になった猫は、完全な室内飼いにはストレスがたまると思うし、家に監禁しておくのは無理ではないかと思う。当初は、人間の家の中に快適さを感じるとは思うが、いつまでも室内監禁で耐えられるだろうか。

実際、室内飼いしてた猫が脱走する話はよく耳にする。

室内飼いに満足してたら、脱走などしないのではないだろうか・・?

外は危険がいっぱいあるし、脱走したら新たな餌場を見つけなくてはならないし、病気になることもあるだろう。カラスなどにケンカをふっかけられるかもしれない(ちなみに、成猫なら1対1ならカラスには負けないかもしれないが、子猫だとやられてしまうだろう)。外ではテリトリー争いもあるだろう。餌など、いつ食べられるかわからない状態になってしまうだろう。人間の運転する車にひかれるリスクもある。

それでも脱走してしまうわけだから・・。

 

猫の健康や安全さのためには、完全室内飼いのほうが良いのは確かだとは思うが、行動範囲を著しく狭められ、室内監禁に近い室内飼いに、この生粋の野良猫として生きてきた猫がいつまでも耐えられるとは思えない。

風呂に入れる(というか、洗う)時に、嫌がられて引っかかれるのは覚悟はしてるが。

だいいち、我が家にはギターが多く、それで爪を研がれても困る・・。

 

やはり・・飼えない。うかつな気持ちで飼うわけにはいかない・・・。

途中で見放すなんてことはしたくないし。

飼うからには一生面倒をみないとね。

 

 

ちなみに野良猫というのは、自然の中で狩りをして生き抜いていく「野性の猫」とは別ものだと言われている。

野性の猫は「野猫」と呼ばれ、野良猫とは区別されている。

野良猫は決して「野性の猫」ではないとのこと。では区分的にはどうみなされているかというと、野良猫もまた「イエネコ」なのだそうな。

人間に飼われて、室内で監禁されるかわりに健康や食や住がみたされた「室内飼いの猫」も「イエネコ」なら、人間の生活圏で路上で暮らす野良猫も「イエネコ」で、「飼い主のいないイエネコ」という扱いだそうな。

なので、「野猫」ではない「野良猫」は、生活圏を人間と共同する以上、なんらかの形で人間と関わらないと生きていけない猫だそうな。

なので、「野猫」と同じように、狩りだけで自立自活していくのは難しいようだ。

 

 

いっそ・・・このクロと話せればいいのに。

そうしたら私はクロにこんなことを伝えたり、聞いたりしてみたい。

「クロ、外出は許す。これまで確保していたテリトリーが気になるだろうしね。これまで野良猫として外を自由に歩きまわってた君にとっては、家の中だけの狭いテリトリーだと、ストレスもたまるはず。人間だって、外出すると気分転換になるもの。だが、外出から帰ったら、かならず風呂に入ること。」

「外出しても、必ず戻っておいで。」

「もし、どこかの家の飼い猫に婿入り、もしくは嫁入りしたら、相手を一度は連れてきて、報告しておくれ。急にいなくなったら心配だから。」

「道路を歩く時は、人間の運転する車には十分気をつけなさい。車が来てる時の道路の横断は絶対にダメ。」

「もしどうしても車道を横断する時は、車が来ていないことを確かめて、なおかつ対岸には走りなさい。」

「カラスとケンカする時は、相手が一羽だけの時にしなさい。群れの中にいるカラスにケンカは売るな。いや、カラスに限らず、単独行動の多い猫は、群れの中にいる相手にケンカは売るな。特に、私に爪を切られている場合は、ケンカは避けなさい。」

「体調が悪い時は、嫌でも医者に行ってもらうよ。注射もありうる。」

「室内のギターで爪をといではいけない。」

「ギターだけは倒さないように。また、ギターのヘッドを踏んではいけない。弦の先っぽが君の足に突き刺さるかもしれないから。弦の先っぽが突き刺さると、人間でも血が出ることがあるのだから、猫なら人間以上に激痛になるだろう。」

「チュールはおやつであって、いくらおかわりがほしくても主食にはしないよ。」

「塩分の多い、人間の食べ物をあまりねだってはいけない。健康を害する可能性が高い。猫には猫用の食べ物をあげるから。」

「君はこれまでどんな人生…というか、猫生をおくってきたの?」

「人間というのは、君にとってどんな存在なの?」

「子猫が野良猫のままで成猫になるのは大変だったろう。よく頑張ってここまで成猫に成長したな。偉いぞ。よく頑張った!君は黒猫だから、夜は闇に紛れて、敵に見つかりにくい…ってのが役にたったのでは?」

「たまには猫集会に誘ってちょ。」

 

 

 

・・・これだけ伝えられたり、話せたりしたら、飼えるのだが・・。

 

 

 

ちなみに。

室内猫を飼ってる人が飼い猫に聞いてみたいのは、

「君は私の家で飼われて幸せ?家の中に閉じ込めてゴメンね。でもそれは君を守るためなんだよ。」

ということなのかな。

 

 


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