考えてみれば、自主制作アルバムを作るという作業は、自己満足の極地みたいなものだ。
今回、実際に作ってみて、自分で本当にそう思う。
誰かに請われたわけでもない。
無名のオヤジの自主制作アルバムなんて、楽しみにしてくれる方は、世間一般的にはあまりいないだろう(笑)。
だったら、なぜ作るんだろう。
それは・・自己満足なんだろうなあ。
でも、誰かに聴いてもらいたかった。形にしておきたかった。
付き合ってくださる方も数人いてくださるけど、、付き合わされる方も迷惑だったりする場合もあるかもしれないし、それを考えると申し訳ない気もする。
大方の人にとっては無関心だろう。
なのに、なぜ作るんだろう。
やはり、自己満足なのだろうね。
でも、誰かに聴いてもらいたかった。形にしておきたかった。
どう考えても赤字になりそうなのに、しかもこの不景気な時に、なんでこんな出費がかさむ作業をするのだろう。
回収のメドもないのに(笑)。
こうなると、どう考えても自己満足以外の何物でもないような(笑)。
でも、誰かに聴いてもらいたかった。形にしておきたかった。
そう、どこをどういう切り口で、どういう視点で考えてみても、自己満足。
関心が無い人からすれば、それが正直な見方なんだと思う。
でも、これをやらないまま時が過ぎてゆき、やがて何もできない状況に自分が置かれてしまう時がきたら、きっとそれまでにやっておかなかったことを後悔するに違いない。
そう思うと、たとえ無駄なことだと分かってはいても、実現させておきたかった。
私の周りでは、音楽をやってる人が多いが、その中の多数の方が、やはりこういう自主製作アルバムを作ってきている。
私自身、そういう人たちが自主製作アルバムを作る気持ちはわかるし、応援もしたい気があったので、そういう人たちと直に接する機会がある度に、自主製作アルバムをなるべく購入してきた。
もう、それなりの枚数が私の家にある。
どれも、それぞれが心血を注いでつくったアルバムばかりだった。
そのうち、そういうのが蓄積され、私自身も皆の自主製作アルバムを作るという情熱に刺激された・・というのも大きい。
今は・・・聴いて下さる方に感謝するばかり。
今回のこの自主制作アルバム、音源に勝るとも劣らないくらいにこだわりがあったのは、ジャケットだった。
あの風景は、20代の頃にポップスバンドを組んでた時、バンドメンバー皆で車で遊びに行った場所にあった風景。
実は、その前からも・・・へたすれば子供の時から、あの風景の存在は知っていたが、しみじみとした思いを持ってあの風景を眺めたのは、20代の頃にバンド仲間と遊びに行った時だった。
あの風景が頭にこびりつき、いつかこの風景を何らかの形で「使いたい」と、おぼろげに思っていた。
どう使うかは、はっきりしないまま。ともかく、「いつか、この風景を!」という思いと共に、あの風景が頭にストックされた。
で、今回アルバムを作るにあたり、ジャケットをどうするか考えた時、瞬間的にあの風景が頭から出てきた。
というか、アルバム制作を思い立った時に、あのジャケットは頭にあったと言ってもいいぐらい。
ここで使うしかない。これしかない。
やっと、「いつか、この風景を」の思いは決着がついた。それもまた、やり残していたことの一つだった。
当初は、太陽の位置はもっと上空にあるイメージで、時間帯的には決して夕暮れ時ではなかった。
イメージ的には、昼間の2時くらいの太陽の高さで、空は青空、雲は少なめ・・・・そんな感じだった。
だが。
実際に撮影に行って気づいたのだが、当初のイメージ通りの太陽の高さだと、太陽は木々に隠れてしまうことが分かった。
それでは意味がない。
なので、あのアングルで太陽がしっかり見える時間帯を選ぶしかなかった。
それはもう夕暮れの時間帯だった。
夕暮れの時間帯を選ぶのであれば、どうせなら空が夕暮れっぽい空の色に染まる瞬間にしよう。
そう思って、現地で待つことしばし。
現地には、時代屋の相方ジャン君を案内し、来てもらっていた。
で
実際に写真を撮ってくれた、時代屋の相方ジャン君と2人で、いいアングル、いい色合いの瞬間を待ち続けた。
結局、写真は何枚も撮った。
その中から、私の好きな影絵作家・藤城清冶さんの影絵のような効果を、どこかで持ってるような気がする、あのジャケット写真に決定。
写真の中には、あの風景の中に、ギターを持った私の後ろ姿が入っている写真も撮ったのだが、どうもサマにならない(笑)。
また、私抜きで、ギターケースだけが、この風景の中に収まってる写真も撮ったのだが、ギターケースをアングル内に入れようとすると、肝心の景色のアングルの視点が変わってしまう。
それも避けたかった。
というわけで、人物も、ギターケースも入っていない、自然風景だけに的を絞った、あの写真になった。
まあ、このへんもまた、自己満足の極地なのだろうね(笑)。
とりあえず言えるのは、あの風景にも、かなりのこだわりがあった・・・ということだなあ。
なお、写真は、アルバムジャケット撮影時に何枚も撮った写真の中の一枚。
これはジャケットに採用することはなかった、ギターケースをアングル内に収めた、モノクロバージョンの一枚。
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