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気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

ミスタースターマン、デビッド・ボウイ。宇宙への回帰。

2016年01月28日 | 音楽全般

 

最近衝撃的な訃報が相次いでいる。

グレン・フライさんの訃報にも驚いたが、そのちょっと前に伝わってきたデビッド・ボウイさんの訃報にも、驚いた。

こういう訃報のネタを連続して書くのは辛いことだ・・。

 

ボウイさんには、どこか現実離れしたイメージを私は持っていたので、現実世界で誰にも訪れる「死」というものが私には当初ボウイさんに結びつかなかった。

現実離れしたイメージ・・というのは、ボウイさんの初期のイメージによるものが私には大きい。

 

ボウイさんが登場してきた頃のことは、けっこう覚えている。

ボウイさんの音楽はその初期において、グラムロックというジャンルで呼ばれていた。

グラムロックというジャンルの定義や意味を私が書くのは難しい。

私が持っていたグラムロックへのイメージは、メークなどにより中世的なルックスで、宇宙的なコンセプトもあったりした。

そのイメージはボウイさんそのものだった。

 

グラムロックがロックの1形態としてもてはやされたのは、70年代前半頃である。

一大ブームであった。

で、そのブームの頂点にいたのが、バンドではT・レックスであり、ソロではボウイさんだった。

 

だが、T・レックスは、70年代後半に、フロントスターだったマーク・ボランさんが不慮の事故で亡くなってしまった。

ちょうどその頃は、パンクロックというものが出てきた頃だった。

ボランさんの死と共に、グラムロックには私は終焉を感じた。

グラムロックはパンクロックに取って代わられたような気がした。

ボランさんが亡くなった時、ボウイさんはどんな心境だったのだろう。

だが、グラムロックが廃れても、ボウイさんは廃れなかった。

 

ボウイさんは、宇宙からやってきたスターマンで、性別の垣根を越えた中性的なイメージだった。かなりその宇宙的なコンセプトに関しては、ボウイさんは徹底していたように思う。

で、その宇宙からやってきたスターマン・・というイメージがあまりにも強烈だっただけに、そのイメージが私の中で残り、現実世界での「死」というものが、すぐには結び付かなかった。たとえボウイさんがグラムロック時代のイメージから変化していっても、グラムロック時代に築きあげたカリスマ性、スター性、神秘性は、私の中でイメージとして変わらなかった。

 

そう、ボウイさんのその宇宙的なイメージは、そのキャリアと共に段々変化していった。

だいぶ後になって「レッツダンス」という大ヒットを飛ばした時などは、もうグラムロックの名残はなく、宇宙的なイメージでもなかった。

また、日本人にとっては馴染み深い「戦場のメリークリスマス」でのボウイさんには、より親近感を感じた。あの映画でのボウイさんは、宇宙のイメージをはずした、イケメンぶりが際立っていた。あらためて、なんてかっこいい人だと思った。

戦略性を持って、時代と共に変化していき、絶えずスーパースターであり続けた人だった。

 

そう、文字通りの「スターマン」そのものであった。

私に言わせれば、彼こそ「ミスタースターマン」であった。

ともかく、そのルックスのかっこよさは飛びぬけており、それがメイクなどでより磨きがかけられていた。

まさに、美形という言葉は彼のためにあるような言葉に思えた。

 

グラムロックというジャンルは廃れたが、日本で後年出てくるジャンルの一つ「ビジュアル系」の大元になったのが、彼ではないだろうか。

日本で後年出てきたビジュアル系のミュージシャンたちは、多かれ少なかれ、ボウイさんの影響を受けていた・・としか思えない。

彼がいなかったら、ビジュアル系というジャンルはどうなっていただろう。

 

 

彼の初期のグラムロック時代、私は自分で彼のアルバムを買ってはいなかった。

でも、友人から借りたボウイさんのアルバム「アラジンセイン」はよく聴いていた。

かっこよかった。

 

また、その前のアルバムからシングルヒットした「スターマン」という楽曲は私は大好きだった。

ともすれば、その鮮やかなルックスや、キャラクターイメージが話題になっていた中、「スターマン」という曲は、私にとっては、根本的にメロディラインが素晴らしかった。

親しみやすく、メロディアスな旋律は覚えやすく、ヒット性に満ち溢れていた。

そこには小難しいものはなく、純粋に魅力的な楽曲として私の前に現れた。

 

私にとっては絶えず心の中にある「心の歌」の一つになっていた。

 

サビ前の、ちょっと語りかけてくるような歌い方の部分も好きだったし、なんといってもサビが最高だった。

一気に1オクターブ上がる跳躍旋律は、地球上から一気に宇宙に向かって飛翔していくようにも思えた。突き抜けていた。

そして、1オクターブまるまる上がる部分の後のメロディのキュートさ、メロディアスさは、極めてポップス的。あのポップス感覚は、最高に魅力的だった。

もう、この1曲で、私にとってボウイさんは、単なるビジュアルだけではなく、高い音楽性を備えた魅力的なミュージシャンとしてインプットされた。

 

レッツダンスがヒットした頃、彼の音楽をまとめて聴いてみようと思い、CDのベストアルバムを入手して聴いていたが、その音楽性の変化ぶりには、正直試行錯誤していた時期もあったのではないか。

 

でも、常に第一線を外れることなく、オーラにあふれたミスタースターマンであり続けたことは、まさに偉大なロックアーティストであったと言うしかない。

 

そんなボウイさんの訃報。

彼がグラムロックで頂点を迎え、輝きまくっていた頃をリアルタイムで知っている私としては、寂しい。そんな時期に今はなってしまっているのだね。

 

また1人、偉大なスーパースターがいなくなってしまった。

 

まだ宇宙に帰るのは、早いよ。

 

美しく、いつまでもかっこよかった、デビッド・ボウイさん。

 

あなたがロック界に残したものは、とてつもなく大きいのです。

 

ミスター・スターマンは、文字通り、星になった・・・ということか・・。

 

合掌・・・。

 

 

 https://www.youtube.com/watch?v=tRcPA7Fzebw


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