凧あげの記憶

正月の定番遊びといえばなんだろう。
カルタ、羽子板、凧あげなどだろうか。
他にもあったとは、思うが。


このうち、実は私は凧あげはあまり記憶がない。

まったくやらなかったわけではないと思うが、あまり記憶はない。
というのは、私が子供の頃過ごした場所の環境のせいによるものは大きい。
もし凧あげをやるとしたら、家の前の道でやることになったと思う。
だが道路は狭いし、電線もあったし、道沿いには壁もあったし壁の内側には木々もあった。
そんな場所では、凧あげなんかできなかった。
凧あげをするには、ある程度広いスペースは必要だと思うし。
駆け回ったりもするはずだし。

もし凧あげをするなら、広い河川敷のある川や、広い公園、広い境内のある神社になると思う。
私の住んでた町にも、広い境内のある寺はあったが、家からはそれなりの距離があった。
だから凧を持ってまで、広い境内のある寺や神社に行くことはなかった。
もちろん公園もあったが、近くの公園はさほど広くはなかったし、遊具もあったし、公園内を駆け回れるような環境ではなかった。
なので公園では凧あげは、ちょっと無理だった。

やはり１番良いのは広い河川敷のある川辺だったと思う。
当時の私の家の近くにも川はあるにはあったが、広い河川敷などはなかった。

あえて名前をあげるとするなら、東京で言えば多摩川とか江戸川みたいな川なら広い河川敷もあるし、凧あげするにはもってこいだったんじゃないかな。
江戸川の広い河川敷といえは、映画「男はつらいよ」にもよく出てくる。見覚えのある方や、イメージしやすい方もいらっしゃるはず。
そう、ああいう河川敷なら、凧あげもやれたと思う。

だが当時の私の家の近くには、ああいう場所はなかった。

町の中では、まずスペースが狭いし、電線もあった。
無理して凧あげしたら、きっと電線に引っかかってしまっただろう。
へたしたら近所の人に注意されたかもしれない。
走り回るスペースもなかったし。
そんな環境の中では、中々凧あげなんか出来なかった。
実際、凧あげしてる子なんか見かけなかったし。


そんなわけで私は子供時代、凧あげした記憶がほとんどないのだ。


正月の定番の遊びのひとつとして凧あげの名前はよくあげられがちだが、地方の広い場所や、都心でも広い河川敷のある場所に住んでて、凧あげができた子供たちが少し羨ましかったのを覚えてる。


おそらく都心で暮らしてる子供たちには、そんな子は多かったと思うし、今もそうなのではないだろうか。