先日、悲しいニュースを耳にしてしまった。
ジョージ秋山先生の訃報である。
私はジョージ秋山先生の作品では・・「銭ゲバ」や「アシュラ」に衝撃を受け、「ほらふきドンドン」で大爆笑し、「パットマンX」でほのぼのとさせられた。「ピンクのカーテン」もインパクトがあった。
このほか「浮浪雲」や「デロリンマン」などの作品名をあげる人も多いはず。
小学生時代に漫画家志望だった私は、ジョージ秋山先生からも影響を受けた。
どんな影響だったかというと、キャラクターというより、背景の画風や演出効果に大きな影響を受けた。
ピンポイント的には「銭ゲバ」の各コマでの背景。
キャラの心理状態を、抽象的な背景で描いてみせていた。
具体例をあげると、本来突風が吹いてるはずもない場面で、主人公の心理状態に合わせて、背景に突風みたいなものを描いていた。それが私にとっては極めて印象的で、はっきり言って自分のオリジナル漫画でも真似をしていたものだ。
こういう背景もあるのだと思って、目からうろこだった。新たな背景効果の可能性を感じたものだった。
また、「アシュラ」がリアルタイム連載されていた時の社会的な衝撃も忘れられない。
母が我が子を殺そうとしたり、主人公が人肉を食らうようなシーンがあったと思うのだが、それが問題とされ、掲載されていた少年マガジンが発行禁止になったりもしたんじゃなかったかなあ。
それほどの衝撃があったのだ。
また、私は秋山先生のアシスタントを長年つとめてらっしゃったイエス小池さんの著書を買って読んだこともあった。
その書籍は、小池さんの秋山先生のアシスタント生活を綴ったブログを書籍化した本であった。
読了後、その本をこのブログでも取り上げたこともあった。
https://blog.goo.ne.jp/banbo1706/e/c8c1d3bc100c86527fdb3b367cba5929
個人的にはやはり、「銭ゲバ」から受けた衝撃や影響は今でも忘れられない。
あそこまで凶悪な大悪人が主人公の漫画など、それまでなかった。
世の中の「きれいごと」が、嘘に見えてくる作品だった。
あの大悪人が、どんな心理状態でどんな人生をおくって、どうなっていくのか・・・それが気がかりで、目が離せなかった。見届けたくなるキャラであった。それは「アシュラ」にも言えた。
私にとってはある意味「トラウマ」にもなった作品であった。
ああいう作品を描けたのは、ジョージ秋山先生だけではなかったか。
そう、秋山先生でなければ、描けなかったと思うし、秋山先生だからこそ、描けたのだと思う。
日本の漫画界に大きな足跡を残した偉大な漫画家だったと思う。
またひとり、レジェンド漫画家が、いなくなってしまった・・・。
日本の漫画界に、またひとつ大きな穴が開いてしまった気がしている。
残念だし、悲しいし、ショックだ。
ジョージ秋山先生のご冥福をお祈りいたします。
先生の作品、忘れませんよ。いや、忘れられないです。
最後に・・・昔このブログで秋山先生の「アシュラ」と「銭ゲバ」を取り上げたことがあるので、その記事を紹介しておきたい。
銭ゲバ ↓
https://blog.goo.ne.jp/banbo1706/e/b70f58288ef831815ecba8284865f25e
アシュラ ↓
https://blog.goo.ne.jp/banbo1706/e/7fb0ca51364a1420a1eed4b132d49066
ジョージ秋山先生は、一連の社会派漫画を発表される前に、
若いころギャグ漫画も描いていましたので、ボクも読んでいました。
パットマンX、ゴミムシくん、ほらふきドンドン、黒ひげ探偵帳etc.
中でも少年ジャンプに連載されたデロリンマンは、異色の哲学漫画でした。
「魂の故郷に帰れ」という、彼の叫びを狂人のたわごとと人は言う。
だがこの言葉の精神は、当時のザ・ビートルズのレット・イット・ビーの
世界観に通じるモノーー人間の心の原点への回帰ーーがあると思うのです。
この当たりに、氏の非凡な才能を感じました。
偉大な魂に合掌……です。
パットマンXあたりは、アニメ化されなかったのがちょっと不思議でした。
晩年は、割と穏やかな作品を描かれてましたが、銭ゲバやアシュラのような社会派作品の
衝撃は忘れられません。
タブーに挑戦したような、目が離せない作品でした。
大いなる才能を持った偉大な漫画家の1人だったのは、間違いありませんよね。
この機会だからこそ、ジョージ秋山先生を知らない世代にも読めるように、名作集を編纂され、再び大々的に世に出回ってほしいですね。
日本の漫画作品は、本当に質が高く、幅広い内容です。
ジョージ秋山先生も、その功績を担われたことを、いつまでも記憶することが最高の供養ですね。
アシュラをはじめ、読み返したい作品は何作もあります。
できれば、あの絵柄を再現したアニメでも見てみたいです。
アシュラのアニメ版は、かなりのクオリティだったと思います。
皆さん仰るとおりもっとちゃんと取り上げて欲しかったです。
アシュラも銭ゲバも読んでたはずなのですが、内容が内容だっただけに、当時ガキンチョだった私には刺激的過ぎて熱心な読者にはなれませんでした。あ、それとデロリンマンも・・・だからこれらの作品の結末を知りません。
でもパットマンXやホラ吹きドンドンは楽しく読んでたのは憶えています。
氏の作品で映像化されたのは、唐十郎版の映画「銭ゲバ」松山ケンイチ版TVドラマ「銭ゲバ」、劇場版アニメ「浮浪雲」、渡哲也・ビートたけしのTVドラマ「浮浪雲」、そして劇場版アニメの「アシュラ」でしょうか。
一番記憶に残ってるのは渡版の「浮浪雲」ですね。桃井かおりさんのカメさんには笑わせてもらいました。だってカメさんてばヴィトンのハンドバッグなんか持ってるんだもん。
すいません脱線しました。
改めてジョージ秋山先生のご冥福をお祈りします。合掌
あれほどの漫画家なのに、、。
残念でなりません。
デロリンマンは私は読んでましたが、結末はしりません。
最初から最後まで、あらためて通して読みだい作品です。
浮浪雲は長く連載された作品ですし、世間的には秋山先生の代表作は浮浪雲ということになってるんでしょうね。
でも私にとっては、銭ゲバの衝撃は強烈でした