この曲はムーディブルースの代表的な曲であり、プログレッシブロックの金字塔的な名曲。
最近はプログレッシブロック…略してプログレロックの数は減ったように思えるが、かつてはロツクのジャンルのひとつとしておおいに隆盛を誇った。
プログレロツクとしては、なんといってもピンク・フロイドやイエス、キング・クリムゾンなどが代表格だが、ムーディブルースはプログレジャンルの先駆けのひとつだったバンドというのが、ロック史における評価であろう。
私はムーディブルースのアルバムは、「サテンの夜」が収録されたアルバム「デイズ・オブ・フューチャー・パスト」しか持ってないが、このアルバムのラスト曲であり、なおかつ看板曲である「サテンの夜」には、かなり衝撃を受けた覚えがある。
ドラマチックであり、格調高く、インテリジェンスもあり、哀愁のメロディライン、そしてそのバックに流れるストリングスの素晴らしさ!
相当な影響を受けて、この曲のサウンドを部分的に取り入れた曲を作ったこともあったが、私の組んでたバンドでは音楽性的に不似合いだったのて、結局は持ち込めずじまいだった。
ロックでは、ロックとクラシックを融合させた路線で楽曲作りをしてたバンドはけっこうあった。
ハードロックで有名なディープパープルも初期の頃にはロックとクラシックを融合させた曲もあった。
プログレでもそういうアプローチで楽曲作りをしていたバンドはあり、このムーディブルースもそうだったと思う。この「サテンの夜」を聴くと、そのへんお分かりいただけると思うのだが、いかがだろうか。
ムーディブルースの初期には、ポールマッカートニー&ウィングスの固定メンバーとして知られた、あのデニー・レインも在籍してたことがある。ただしデニーが在籍してた頃の初期のムーディブルースはまだプログレバンドではなく、R&Bを指向してたようだ。あいにく私はその頃のムーディブルースはまだ聴いたことがないが。
ボーカルとギターを担当してたデニーらが脱退したあと、ムーディブルースはジョン・ロッジやジャスティン・ヘイワードを加入させ、後にプログレと呼ばれる音楽性になり、それが「サテンの夜」で花開いたということであろう。
今では、あまり名前を聞くことが少なくなったムーディブルースだが、ロック史にプログレというジャンルを定着させるきっかけになったバンドとして、ロック史における存在意義は大きいと私は思う。
だから、代表曲ともいえる、この「サテンの夜」を取り上げておきたい。1967年に発表された、ロッククラシック。ジャスティン・ヘイワード作曲の大金星。
ゆったりとして格調高く哀愁の旋律を持ち、ドラマチックでインテリジェンスのあるこの壮大な名曲を、ぜひ味わってもらいたい。
ロックの歴史の中で、忘れられてはいけない曲だと私は思っている。
あ、そうそう、くれぐれも「夜の喫茶店」を連想しないように(笑)。
茶店の夜ではないのです。
ちなみに、サテンとは朱子・繻子(しゅす)という織り方で作った布地のことで、シルクに似た肌触りとのこと。
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