Bodhisattva by Steely Dan
スティーリー・ダンは普段Jポップしか聴かない人にはあまり知られてないかもしれないが、洋楽ロックが好きな人には有名なバンドだ。
しかも、かなりの大物バンドとして。
グラミー賞も取っているし、ロックの殿堂入りも果たしているほどの一流バンド。
もっとも、メンバー的にはドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーのデュオによるユニットというイメージも強い。
確かにその二人がメインだったが、初期はバンド形態であった。
バンド形態の頃にメンバーだった人の中には、あのジェフ・バクスターが在籍していたこともある。バクスターといえは、ドゥービーブラザーズのリードギタリストだったことでも有名。
スティーリー・ダンは、1972年にデビューした、アメリカのバンドだ。
基本はロックだったと思うが、その音楽性は幅広く、ジャズ、ラテン、ソウルなど多様な要素を取り入れた、独自のサウンド。
やがて音楽市場に出てくるようになったフュージョンというジャンルの先駆けだったかもしれない。少なくとも、フュージョンに大きな影響を与えたのは確かだったろう。
で、今回取り上げる「菩薩」という曲は、彼らの1973年発表のセカンドアルバム「カウントダウン・トゥ・エクスタシー」の冒頭に収められていた曲。
彼らのアルバムの中では比較的地味な扱いを受けてる印象はあるが、熱心なファンの間では評価されてるアルバム。
私はこのアルバムを買った時、まずは「菩薩」というタイトルの曲が気になった。西洋人が、菩薩を題材に曲を作ったなんて珍しく思ったし、どんな曲だろうと興味津々。
てっきり「西洋人がイメージする日本風」か、中国風で、オリエンタルな曲なのかと思った。
だが、曲が始まってみたら、軽快なロックンロール。
でも、そこはさすがスティーリー・ダン、コード進行にひねりがあり、普通のロックンロールにはなってない。ジャズのテイストのあるコード進行や、フレーズ。
そのせいか'(?)、垢抜けて、シャレた感じになっていた。
また、どんな歌詞なのかも気になった。歌詞の中に「ジャパン」や「チャイナ」という言葉も出てきてたし。
和訳を読んでみたら、
「菩薩さま、菩薩さま、日本や中国を照らす光を私にも見せて下さい」
そんな内容だった。
彼らがこの曲をどんないきさつで作ったのか、それはわからない。
でもなにやら風刺らしきものも感じるし、ユーモアも感じる。
軽快なロックンロールではありながらも、ひとくせもあれば、ひねりもある、センスあふれる曲だと思う。
この曲、歌詞の中に「Japan」という言葉が出てきたことで、日本人の私にとって親近感を感じる曲であったが、スティーリー・ダンは1977年発表の「aja(エイジャ)」というアルバムでも思わぬ形で日本人にとっては親近感を感じさせてくれることになった。
なぜなら「aja」の秀逸なジャケットには、日本人の伝説的トップモデル山口小夜子さんが大々的に使われていたからだ。そしてそのアルバムは、スティーリー・ダンの最高のヒット作になった。
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