００９とレインボー戦隊ロビン

サイボーグ００９は今でも知名度は抜群だ。
だが、レインボー戦隊ロビンはどうであろうか？

００９のアニメは何度もリメークされているし、そのうちまたリメークされることがあるかもしれない。
そう考えれば００９は、今も現役なのだと言ってもいいだろう。

だがロビンは・・。

権利関係の問題でリメークできないようだ。あれは特定の個人が創作したものではなく、スタジオ単位で創作したものゆえ、色々と権利関係がややこしくてリメークできないでいる・・そんな話を聞いたことがある。
だから今じゃすっかり「過去の人」になってしまい、新しい世代に知られていないのかもしれない。


ここで、なぜ私が００９とロビンを並べてブログのネタにしたかというと。
００９とロビンは、イメージがダブっていたのだ。
キャラ設定が特に。
００９の作者はご存知、石森章太郎先生。一方、ロビンのキャラ設定には藤子不二雄先生の他に石森先生もかかわっていた。
だから、００９とキャラが相通じるものがあるのは当然だったろう。

元々は私は００９の大ファンだった。早くアニメ化されないかな～～などと、いつも思っていたもんだ。
ところがある日。
レインボー戦隊ロビンというアニメが始まった。
何の気なしに見てみたら、００９とイメージが完全にダブった。
だから、００９を見るような気分でロビンを見始めたのを覚えている。

でも、見始めてみると、ロビンにはロビンの良さがあり、００９に負けないくらい大好きになった。


今思うに、００９には根底に「暗さ」や「深刻さ」やメッセージ性もあった。
生身の人間が自分の意志とは関係なく勝手にサイボーグ化されてしまった苦悩。
そして、当時泥沼化していたベトナム戦争などを題材に盛り込んだ「反戦」のテーマ。
そういう要素が作品に盛り込まれていたから、作品には単に「痛快」「かっこよさ」だけでは済まされない「重み」があった。


一方、ロビンは、制作スタッフがスペースオペラ的な作品にしたいという意図があったようで、そのせいか作品のトーンはスマートで明るかった。単純にスカッとして「カッコイイ」といい感想で見れたような感がある。
ロビンには個人的には宝塚にも通じるような華やかさも感じた。


そういうトーンの違いはあったにせよ、やはり００９とロビンには共通点があった。
個人が主役・・というよりも、個人が属する集団そのものがヒーローで。
その集団のメンバーには、それぞれ別の能力が備わっていて。そう、一人の主人公に能力を集中させるのではなく、集団ヒーローに能力を分散させたスタイル。
その後日本で大きく花開くことになる、「能力分散型、集団ヒーローもの」の原点ってことになるのかもしれない。

もっとも、００９はロビン放送開始の何年も前から雑誌に連載されてたので、能力分散型集団ヒーローは００９こそ元祖と言えるだろう。

ともあれ、能力分散型集団ヒーローという意味では００９とロビンは同じだったのだ。
だからこそ、００９が好きだった私には、ロビンはまさにツボだった。

いわば、００９とロビンは兄弟や仲間みたいなもの・・・そんなイメージを持ってた。

そうしたら！

なんと、一つの作品の中で００９とロビンが共演したことがあった！
この記事を読んで下さっている方、それをご存知だろうか？
あるいは、覚えているだろうか？


それは、００９の劇場映画で、だった。
私のかすかな記憶では、劇場アニメ「サイボーグ００９」の第２作目だったように思う。

空を飛ぶレインボー戦隊。
海上を進む００ナンバーサイボーグ。
２グループが、鉢合わせをしたのだ。
ロビンが００９たちに手を振り、００９たちもそれに答えて手を振りかえす。
そんなシーンが、数カットだけ・・・そう、一瞬ではあったけど、あったのだ。

劇場でこれを見た私は一瞬驚きながらも、次の瞬間には大喜びした。
本当にワクワクした。

できればそのまま、協力しあって、一つの敵と戦ってほしかったが、まあ、そうなるとどっちが主役になるか困ってしまうよね（笑）。

でも、両者が同じ作品の中で顔を合わせ、手を振り合うことで、００ナンバーサイボーグとレインボー戦隊は地球の平和を守る仲間であり、友でもあり、また兄弟のようでもある・・そんな認識は一層強くなった覚えがある。

そんな、それぞれ戦う敵は違えど、かつては共に地球を守った同士でもある、００ナンバーサイボーグとレインボー戦隊。
ロビンに関する権利関係がクリアされて、いつかロビンも００９のようにリメークされないものだろうか、と、時々思う。

００９が好きな人は、ロビンにもハマると思う。