『鏡獅子』その3です。さて、弥生の踊りが進むうちに、その場にあった獅子頭を手にします。すると獅子頭に魂が宿っていて、弥生の体を無理やり引きずりながらどこかへ行ってしまいます。
弥生が持っている獅子は「手獅子」と呼ばれる小さなものです。それはその日の余興に使われる小道具のひとつで、お小姓という御台所などに仕える若い腰元が余興として踊るためにそこに飾られています。それを弥生が手にするという場面設定です。
愈々、次はその獅子に魂が宿り、獅子の精が現われます。
※ 写真は国立劇場で開催された「扇菊会」で撮影されたものです。