平成27年5月7日現在、東京電力の発表によると
○福島第一原子力発電所西側敷地境界の放射線濃度の測定値は、原子炉建屋との間の風向きによる大きな変化がみられていません。この測定値は事故時に放出された放射性物質による影響が大半であることを示しており、1~3号機から現在新たに大気中へ放出されている放射性物質の量は大幅に減少しています。
○当社は、福島第一原子力発電所1~3号機原子炉建屋からの、現時点(2015年4月30日公表時点)での放出量の最大値は1時間当たり約0.1億Bq(ベクレル)と推定しました。これは、事故時に比べて約8,000万分の1の値です。
○この放出量が1年間続くと仮定した場合の敷地境界の年間被ばく線量を、最大で約0.03mSv(ミリシーベルト)/年と評価しました。(これまでに既に放出された放射性物質の影響は除きます。)なお、法令で定める一般公衆の線量限度は1mSv(ミリシーベルト)/年となっています。
参考リンク:
H27.4.30 「廃炉・汚染水対策チーム会合 第17回事務局会議」 【資料3-3】「環境線量低減対策」より抜粋(19KB) PDF
「事故時に比べて約8,000万分の1の値です。」ーーー事故時と比較する無神経さ、比較するなら、法律で規制される、原発の主排気筒からの放出規制値と比較すべきである。
と考えて、「原子炉等規制法(略称)」を調べると、驚くべきことに規制値ではなく、線量目標値(埋め込み画像参照、クリックで拡大)が定められているだけである。
詰まり、大気中、海水中に放出される放射性物質量が線量目標値を超えても何らお咎め無しである。 大気中へ放出される放射性物質が1時間当たり約0.1億Bq(ベクレル)であっても、総量がいくらであっても良いことになる。
これが、明らかに人体へ影響し、環境を汚染する原子炉の正体であり、再稼働を認めることは、原子炉からの放射性物質の放出およびそれによる人体の被ばく、その降下物の地面上の堆積、海中での魚類等を介しての濃縮等による体内被曝等を無制限に許容することを意味する。
後段の、「この放出量が1年間続くと仮定した場合の敷地境界の年間被ばく線量を、最大で約0.03mSv(ミリシーベルト)/年と評価しました。」は、その目標線量以下であることを言っており、第一原発が放射性物質を放出し続けていることに何らの痛痒も感じないことを表明するものである。
これと環境基本法(公害対策基本法)を対比すると、
環境基本法の大気、海洋、河川、土壌中での環境基準値(https://www.env.go.jp/kijun/dt1.html参照)は、
例えば、カドミウムが「米1kgにつき0.4㎎以下であること。」というように明確に規定されている。
原子力に関する法律は、原子力のいい加減さを助長する作りになっている。