コロナでイベントを渇望していたこともあり、パリ〜ニースはほぼ毎晩中継を見ていた。グランツールのような長丁場の作戦による見せ場は少ないものの、コロナウィルスの影響で、これからのレースの開催自体がどうなるか分からない中、パリ〜ニースを勝ちたいという、1日1日にかける緊迫した雰囲気は見応えがあった。
レースの結果は既に多くの人が知っているだろう。最終日の見事なアタックで、キンタナが勝利。嬉しそうにゴールに飛び込む姿が印象的だった。
結果はダイジェストでも分かるが、長く中継を見ていると結果に出てこない見どころが印象に残る。
中でも、世界チャンピオンのピーダスンは連日、チームのために走る役回りを徹底していた。
みんなの分のボトルを運ぶ世界チャンピオン、集団の先頭を引く世界チャンピオン。アルカンシェルのジャージは目立つので中継で見ていても目がいく。
世界チャンピオンだけど、エースじゃない、自分の勝ちにこだわらず、チームのために仕事をする。こんな世界チャンピオンもいるもんだなー、と最初は違和感もあったが、最後はピーダスンという選手のことが分かってきたような気がした。
コロナウィルスのせいで最終日は繰り上げすることになり、プロチームからも感染者が出たりと、自転車業界にも暗い影が落ちている。早く気持ち良くレースを観られる日がくることを願うばかりだ。