にほんブログ村
この記事が役に立つと思われましたら、クリックをお願いします。
ランキングに参加
しています。
実父が9月25日に他界し、更新が遅れたことお詫び申し上げます。
/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
第五章 分割・民営体制の矛盾の表面化と国労運動
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
第六節 国労の政策要求
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
分割・民営化後の国労の政策づくり
国鉄の「分割. 民営化」から5年目の1992( 平成4) 年6月、運輸政策審議会が運輸大臣に提出した「21世紀に向けての中長期の鉄道整備に関する基本釣考え方魅力ある未来の鉄道を求めて」( 22号答申) は、わが国の鉄道の現状と鉄道への期待、そして鉄道整備とその促進策などにふれたもので、その要旨は次のとおりであった。
① わが国の社会経済は安定経済を持続し、成熟化の段階を迎えている。しかし近年は、東京一極集 中の是正、地方の活性化、環境・エネルギi 問題、労働力不足などさまざまな課題に面面してい る。21世紀にむけこれらの諸問題に対応しつつ、国土の均衡する発展を図り、豊かさを実感 できる社会を実現する必要がある。そのためにも交通関係の社会資本の充実. 強化を図ること が最も重要な施策の一つである。中でも鉄道は、これらの課題に対応しうる優れた交通手段と して一層の役割を果たすべく期待が高まってきている。具体的には、都市間移動範囲の拡大、 都市部の快適な通勤通学輸送を実現することである。そうすることによって、21世紀におけ るわが国の交通体系の中で鉄道が中枢的役割を果たすことが可能になると考えられる。
② 1987年の国鉄の分割・民営により、そのにない手は民間セクターとなった。今日、JRの経営 も順調に推移しており、民間セクターが中心となって鉄道整備の基本方向を明らかにするとき である。
③ 鉄道に対する国民の期待に応えていくには、相当規模の投資が必要である。しかし膨大な資金と 長期の懐妊期間が鉄道事業は必要なので、民間セクターのリスクがますます大きくなる。そこ で国が今後の鉄道整備の方向を示し、方策を講じていくことが重要であり、公的支援を行い、 資本費の負担軽減を図る必要がある。具体策としては、幹線ネットワークの質の高度化を図る こと、大都市圏の通勤・通学時の混雑緩和 ( 東京・大阪・名古屋を中心に) 、および一定規模以 上の人口を有する地方都市であって、鉄道特性が発揮しうる所は、既存の鉄道の改良により輸 送力増強を図る。
④ 現征の運賃負担のみでは、大規模な投資は限界が見えている。それゆえ国の支援とこれまで以上 に地域社会が鉄道整備に協力・支援を行い、相対的に低い水準にとどめられていた運賃・料金を 利用者等が考え方の発想を転換し、一層の協力と負担を求めることを検討すべき時期にきてい る。また、今後の労働力不足に的確に対応できるよう省力化に配慮した投資を進めていく。
⑤ ローカル鉄道は、鉄道の特性を発揮できない状況にあるが、地域の足として維持していくために 一層の努力を行い、地域( 地方自治体、住民、利用者) が支援を行っていく必要があり、今後 とも鉄道特性がない線区は代替輸送機関への転換を検討する。貨物輸送は、長期的にはモーダ ルシフトの要請が強まるが、鉄道貨物輸送の事業を巡っては課題が山積している。
事業の健全な経営を維持しつつ、あり方を検討する必要がある
続く
この記事が役に立つと思われましたら、クリックをお願いします。
ランキングに参加
しています。
実父が9月25日に他界し、更新が遅れたことお詫び申し上げます。
/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
第五章 分割・民営体制の矛盾の表面化と国労運動
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
第六節 国労の政策要求
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
分割・民営化後の国労の政策づくり
国鉄の「分割. 民営化」から5年目の1992( 平成4) 年6月、運輸政策審議会が運輸大臣に提出した「21世紀に向けての中長期の鉄道整備に関する基本釣考え方魅力ある未来の鉄道を求めて」( 22号答申) は、わが国の鉄道の現状と鉄道への期待、そして鉄道整備とその促進策などにふれたもので、その要旨は次のとおりであった。
① わが国の社会経済は安定経済を持続し、成熟化の段階を迎えている。しかし近年は、東京一極集 中の是正、地方の活性化、環境・エネルギi 問題、労働力不足などさまざまな課題に面面してい る。21世紀にむけこれらの諸問題に対応しつつ、国土の均衡する発展を図り、豊かさを実感 できる社会を実現する必要がある。そのためにも交通関係の社会資本の充実. 強化を図ること が最も重要な施策の一つである。中でも鉄道は、これらの課題に対応しうる優れた交通手段と して一層の役割を果たすべく期待が高まってきている。具体的には、都市間移動範囲の拡大、 都市部の快適な通勤通学輸送を実現することである。そうすることによって、21世紀におけ るわが国の交通体系の中で鉄道が中枢的役割を果たすことが可能になると考えられる。
② 1987年の国鉄の分割・民営により、そのにない手は民間セクターとなった。今日、JRの経営 も順調に推移しており、民間セクターが中心となって鉄道整備の基本方向を明らかにするとき である。
③ 鉄道に対する国民の期待に応えていくには、相当規模の投資が必要である。しかし膨大な資金と 長期の懐妊期間が鉄道事業は必要なので、民間セクターのリスクがますます大きくなる。そこ で国が今後の鉄道整備の方向を示し、方策を講じていくことが重要であり、公的支援を行い、 資本費の負担軽減を図る必要がある。具体策としては、幹線ネットワークの質の高度化を図る こと、大都市圏の通勤・通学時の混雑緩和 ( 東京・大阪・名古屋を中心に) 、および一定規模以 上の人口を有する地方都市であって、鉄道特性が発揮しうる所は、既存の鉄道の改良により輸 送力増強を図る。
④ 現征の運賃負担のみでは、大規模な投資は限界が見えている。それゆえ国の支援とこれまで以上 に地域社会が鉄道整備に協力・支援を行い、相対的に低い水準にとどめられていた運賃・料金を 利用者等が考え方の発想を転換し、一層の協力と負担を求めることを検討すべき時期にきてい る。また、今後の労働力不足に的確に対応できるよう省力化に配慮した投資を進めていく。
⑤ ローカル鉄道は、鉄道の特性を発揮できない状況にあるが、地域の足として維持していくために 一層の努力を行い、地域( 地方自治体、住民、利用者) が支援を行っていく必要があり、今後 とも鉄道特性がない線区は代替輸送機関への転換を検討する。貨物輸送は、長期的にはモーダ ルシフトの要請が強まるが、鉄道貨物輸送の事業を巡っては課題が山積している。
事業の健全な経営を維持しつつ、あり方を検討する必要がある
続く