国道1号線の箱根峠から南に向かい、伊豆半島を縦断する伊豆スカイラインに至る途中に十国峠展望台に登るケーブルカーがある。この展望台からは東に相模湾、西に駿河湾、南に伊豆大島をはじめとした伊豆七島と天城山系、そして北の箱根連山と愛鷹山の間に大きな富士山を望むことができる。
十国峠展望台
また眼下には三島、沼津(駿河)、湯河原、熱海の夜景(伊豆)、北東方面に東京(武蔵)、千葉(下総)の高層ビル群と三浦半島(相模)の後ろに重なるように房総半島(安房、上総)が望め、また富士と愛鷹山の間や左には山梨(甲斐)と長野(信濃)の山々が見える。この十国峠から尾根筋を南側に少し下ったところに、トレーラーハウスにウッドデッキが併設されたグランピング施設があり一泊した。
グランピング(Glamorous Camping )というのを最近に良く見聞きするが、どうやら寝る場所だけが「ハイクラスなテント」で他はホテルに泊まるのと同じ、ということらしい。今回泊まったのは「ハイクラスなトレーラーハウス」に食材(自分で調理)と調理器具が備えてある施設で、グランピングの一形態といえなくもない。
トレーラーハウスは幅こそ(制限されているので)狭いが、浴室と洗面所、トイレが独立しており、キッチン、ソファ、ベッドを含め、ビジネスホテル以上の豪華さで、その前に広々としたウッドデッキがありここで調理、食事がキャンプ気分でできる。デッキにはこれまた日本ではあまりお目にかかれない3連のガスオーブンがあり、テーブル、炊事場、さらにファイヤーピット(焚火台)も備わっている(もちろん薪の束も)。
トレーラーハウス+ウッドデッキの施設(屋根上が展望台)
食材は「十国峠」にちなんで十国の名産品をチョイスしてあり、いつもスーパーで購入している食材に比べかなりおいしかった。また鍋などの調理器具がブランド品であることにも驚いた。さらに冷蔵庫には無料のビール、ソフトドリンクが入っており、追加も無料であるとのことだった。
しかしこの施設の最大のウリはそのロケーションで十国峠展望台とほぼ同じ360°の眺望であるが、この施設は階段で屋根上に上ることができ手すりも付いている。さらに宿泊することで夕焼け、夜景、星空などが楽しめるが、宿泊した日はあいにく雲が広がってしまった。それでも雲が切れた時間、月明かりで熱海沖にある初島の周りの海が光っていたのは印象的だった。
ここは東京から東名、小田原厚木道路や西湘バイパスを使えばあまり遠くなく、伊豆、箱根の観光地や小田原、御殿場など寄り道ポイントも多いので、今度は富士山が雪を頂いている季節を選んでまた来ようと思っている。