夏の終わりに見晴らしの良い場所に建てられた宿に泊まることになり、急遽144/430MHz帯のアンテナを製作することになり、ニワカ作りができそうなアンテナとしてAWXを選んだ。
AWXアンテナは昔HF用に作ったことがあり給電にTVフィーダーを使ったので、ずっと給電点インピーダンスが300Ωだと思っていたが、実はエレメントの交差角度が90°で37Ω、60°で55Ωとなり、同軸を直接つなぐことができる。またこのアンテナは144MHz帯として作ると、3倍高調波の関係になる430MHz帯にもそのまま使えるようである。
製作は非常に簡単で、長さが490mm、2mmφのエナメル線を適当なベニア板に這わせタイで固定し、中央で上と下に同軸を直接接続するだけである。なお板の裏にマストの代用として、捨てられていたTVアンテナのブームパイプを固定している。さらに持ち運び?では、エナメル線を適当に曲げることでかなり小さくすることができるので山への移動でも使えそうである。
こんな物でもSWRは簡単に下がり、144.0~144.8 で1.3以下になるが 430MHz帯では共振点が下がっているため 430~433 で1.5以下となる。これは144MHz帯の共振点が148MHzと高く、430MHz帯では427MHzと低くなり、両者をうまく両立させるのはなかなか難しいが、広帯域性があるので実際に使ってみた結果では十分実用になるな、という感じである。