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FTdx10 はどうなのか? 辛口評価になってしまった

2024-02-23 13:44:33 | アマチュア無線

八重洲無線のHF/50トランシーバー FTdx10 を購入して今までのメインリグである FTdx3000 と比べてみました。FTdx3000 を使い始めてから早10年となり、もうそろそろ次のリグになってもいいな、と思ったのが購入動機です。

FTdx10 は某トランシーバーランキングで3位(2位はFTdx101)だそうで、FTdx101の性能をそのまま引き継いでいる、というのがうたい文句のようです。

果たしてうたい文句のような性能なのか? と期待して FTdx3000 と比べてみました。まず操作性ですがこれはもう問題なくFTdx10が良いと思っていたのですが、確かに多くのメニューを選んで設定する機能やスコープの設定などは良いのですが、頻繁に使うバンド、モード選択、APF、WIDTHなどはむしろFTdx3000の方が便利です。

これはFTdx10がコンパクト志向なのでダイヤルの周りにこれらのツマミが配置されていること、そしてこれがやや操作しずらいこと、によります。やっぱりFTdx3000程度の前面の広さがありバンドSWやパワーコントロールなどが展開していれば格段に操作性は上がります。

特に一つのバンドSWに3個のメモリが設定できるバンドスタック(例えば7MHzでは下のCW、中間のSSB、上のSSB@チューナーONに設定)は、イチイチバンド切替を表示させてクリックするのは面倒で、FTdx3000のようにワンプッシュで切替えたいものです。

受信は非常に優秀だと言われていますが、FTdx3000と聞き比べてみるとノイズすれすれの局の信号でも大差がないように思えます。音については少し硬い感じがして、良く言えばメリハリがあり、そうでなければ耳に障るように感じます。これはスピーカーにも左右されるので何とも言えませんが、FTdx3000 ではもう少し柔らかい感じで聞こえます。

SDRトランシーバーの目玉としてスペクトラムスコープがあげられますが、FTdx10 は当然 FTdx3000 に比べ解像度が高い「針」のように信号が表示されます。しかしこれがイマイチで「もう少し何とかならないかな?」というのが第一印象です。

これは ICOM のように平均化をしていないためで、例えば SDRPlay+PCで FTdx3000 の受信信号(RF OUT)を表示させたものと比較すると「美的感覚」が乏しい感じがします。

 

もっともスペクトラム表示はバンド全体の状態を把握するのが目的なので美的感覚は二の次だ、という意見もあるようですが、使用中は常にこの画面を見ることになるので、スペクトラム表示は今までのトランシーバーとはまた違った評価対象の一つになると思います。

また売りである3DSS表示についてもあまりピンときません(平均化をしないのはこの3DSSの故と思っていたが、SCU-LAN10では両方ともサポートしているので単にFTdx10に組み込んでいないだけ)。

なお背面にあるDVIコネクタによりディスプレイに拡大表示させることができるのも1つのウリですが、期待していた「マウスのホイールでスペクトル上での周波数移動」ができません(FT710はできるらしい?)。

それからこれは性能やパネル表示とは違うのですが「存在感に欠ける」印象があります。これは今まで FT2000 ~ FTdx3000 と使ってきた流れでどんどんリグが小さくなってきたのですが、ここまで小さいと FT991/FT710 と大して変わりがないな、と感じてしまいます。

特に FT710 を出すのなら、FTdx10 は もう少し大きくしてバンドSWなどを右端に配置した方が「セミミドル級」だと差別化ができたと思うのですが?

使用してから半年後の感想もありますのでよろしければどうぞ。


IC-705を固定で使う アンテナ切替器、卓上マイク、リグの固定、ほか

2024-02-21 15:29:59 | アマチュア無線

評判の IC-705 を購入していろいろ触ってみると、これは結構良いトランシーバーだ、と思うようになってきました。何よりも価格の割にはその機能が豊富でいろいろなことができるようになっており、QSOに関しては国内や近隣のDX程度にはこれで十分ではないか、と思います。出力が10Wなのは仕方がないのですが、これは筐体の大きさ(特に放熱に関して)妥当なところではないかと思われます。

そこで IC-705 を本格的にシャックで固定機として使うために次のようないくつかのツールと工夫を試してみました。

1.アンテナ切替器

IC-705に限らずエントリークラスのトランシーバーはアンテナ端子を1つしか持っていません。これ一台でHFからUHFまで使える、といってもアンテナを切替える手段は必須になります。そこでHFの4つのアンテナを切替えることができるアンテナ切替器を作ってみました。さらにV/Uのデュープレクサを使って IC-705 が計6本のアンテナ(10バンド)を使うことができるようにしてあります。ただし各アンテナはアンテナチューナーが必要としないで動作するように調整してあり、それぞれ2バンドで運用できます。

HF-1:7/18 クロスDP、HF-2:10/24 トラップDP、HF-3:28/14 トラップDP、HF-4:3.5/21 ワイヤートラップDP

なおこの切替器は入力に別のトランシーバーをつなぐことによって、HFのアンテナを共用(同時ではない)することができます。

リレーAは2つの系統が相互に切替わる形式のラッチ式でNコネクタの同軸リレー(上限仕様周波数/電力は2GHz/200W)ですが、430MHzには必要な仕様だと思います。リレーAにメインのFTdx3000とIC-705の2つのトランシーバーからそれぞれ同軸をつなぎ、これをHFのアンテナ切替リレー系統(リレーB、C、D)で各アンテナに切替えます。ここで FTdx3000 がHFのアンテナにつながっているときは IC-705 はデュープレクサ(V/UHF)につながるようになっています。

アンテナの切替は手動かトランシーバーからのバンドデータ(BCDデータ)出力による自動で行います。ここでFTdx3000はBCDデータが Linear端子から得られるのですが、IC-705では CI-V データをマイコンなどで解読する必要があり、現在 Arduino で行うべく挑戦中です。

またリレーB、C、Dも同軸リレーを使っていますが、HF帯では一般的なリレーでも使えると思います。なおリレーC、Dは写真の切替BOXにはなく別のリレーBOXに収納しています。

2.アドニス卓上マイクの接続

もともと FTdx3000 用に使っていたアドニスの卓上マイクを IC-705 でも使えるような回路を作ってみました。アドニスマイクをIC-705で使うには、アドニスに用意されている変換ケーブルを使うのが一般的かもしれませんが、それなりの値段がするので手持ちの材料で作りました。なお変換ケーブルではマイクの電源にトランシーバー内部の電源を供給する配線がされていますが、他のトランシーバーと切替えることを検討しているので、マイクの電源は内蔵電池としてその配線はしていません。

製作上の注意点は IC-705 マイク音声入力とSTBY入力が同じピンを使っているので音声ラインに1μFのコンデンサを入れることと、アドニスマイクのSTBY出力が3V弱の電圧出力のため一工夫が必要です。とは言っても、アドニスマイクからのSTBY・電圧出力でトランジスタをON/OFFする回路だけなので簡単そのものです。

3.木製の台に固定

IC-705 は移動運用に便利な小型軽量ですが、いざこれを置いて操作しようとするとそのままでは動いてしまい片手で押さえて操作する、ということになってしまいます。そこで片手で触っても動かないように固定するために、木製の台を作ってこれに台座をボルトで固定することにしました。この台座はカメラ用で一時期 IC-705 には打ってつけ、とネットで紹介されていたものです。

これだけの工夫で結構使い勝手が良くなります。なお表面は塗装ではなく包装用の黒テープを張ってみました。これも他人に見せるものではないのでペンキなどを塗るのに比べ速く、また周囲を汚す心配もないためオススメです。

4.そのほか

リグの運用でPCを使うことが普通になってきましたが、ノートパソコンでは机の上に置く場所が必要となるし、デスクトップでは動かすのも「よっコラショ」となります。そこでリグのスイッチオンのような感覚でPCを使いたいと思い無線専用にミニPCを導入してみました。

ミニPCはディスプレイの固定金具に引っ掛けて置くのが一般的ですが、これもやや面倒なので IC-705 を載せた台の下に置いてみました。これならSWを押すのもリグをオンするのと同じなので結構快適に使えます。なおミニPCは筐体が小さいので温度上昇に不安があります。そこで少し長めの木ねじを使って上蓋を浮かしています。

 


IC-705で外部機器をON/OFFするスタンバイ回路

2024-02-17 13:14:16 | アマチュア無線

IC-705の「SEND/ALC」出力で外部機器をスタンバイする回路を作成した。この出力は受信時に4.5V、送信時に0Vになるので、この論理を逆にしてリレーを駆動することにした。

ここで12Vの電源は外部機器(ここではリニアアンプ)から供給している。また一応2回路分用意してあるが、当初はジャンパー線を外してある。


144MHzリニアアンプに外部スタンバイ回路を追加

2024-02-10 16:33:12 | アマチュア無線

フリマで144MHzのリニアアンプをゲットした。今は無き東野電機の2M-50Wで、小型(約18cm×11cm×3cm)、軽量(約760g)かつ古いモデルなのに外観はきれいで錆や汚れも見当たらない。早速出力を確認したところFM・1W入力で22W、3W入力で42W、6W入力で50W程度の出力が得られ買って正解だったと安心した(フリマは手元に来て動かしてみるまでは分からない)。

 東野電機 144MHz帯 リニアアンプ

しかしFMではキャリコン(キャリアコントロール:送信電波でリレーを動かす)が働くものの SSB ではキャリコンがうまく動かない、というか SSB では声が途切れたり小声になると送信が切れてしまうので、キャリコンは使わず(リレーを直接動かす)強制スタンバイにすることがほとんどだが、webを探しても回路図など関連情報を見つけることはできなかった。

そこでリニアアンプを見ると後部パネルには9ピンのコネクタ/プラグがあったが、プラグで結線されているのは2本(1つの短絡線)だけで、後はピンさえなかった。試しにこのプラグを抜いてみるとキャリコンが働くなくなった。

そこで底パネルを開けコネクタ配線とその周辺の基板回路を見たところ、やはりこのピンの配線はキャリコン関係の回路から結線されていた。そこでまず各ピンをテスターで当たったところ電源電圧より1V程度低い電圧のピンが一つだけ見つかった。そこでこのピンがリレーの駆動端ではないかと推定し、ほかのピンと順番に短絡してみたところ「ビンゴ」!、見事にリレーが動く配線を見つけることができた。この時の電流を見てみると5mA程度と小さく、これはリレーを直接動かしているのではなくキャリコン回路の一部として組み込まれているらしい、ということが分かった。

 裏の9Pコネクタ、2本のリードが短絡されている   裏ブタを開けてキャリコン回路を見る 緑と赤のワイヤーを短絡すると送信

一方このリニアアンプの入力に使う予定のトランシーバーからの外部スタンバイ回路は、送信時にアースに落ちるというものなので、このままこのキャリコン回路に接続することはできそうもなく別途オンオフ回路が必要となるので、このコネクタから2本のコードを出して外部でスタンバイ回路を用意することにした。

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