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FTdx10はどうなのか? 半年間使ってみました

2024-10-28 16:52:05 | アマチュア無線

FTdx10はどうなのか? 辛口評価になってしまった」の続編で、約半年ほど使ってみた感想です。

FTdx10とFT710やIC-7300との大きな違いは、後者の2つがANT入力をそのままSDRに入れているのに対し、その間にアナログのルーフィングフィルタを挿入し9MHzにコンバージョンしてSDRに入れていることです(FTdx101も同じ)。

だから何だと言われても困りますが、ヤエスさんはこの方式の方が受信性能が高いと主張しています。ただこの違いが分かるような状況の運用はあまり経験しないので(むしろ避けるので)、どっちでもいいのなら安い方が良いのかもしれません。その他に明確な違いはディスプレイの大きさが5インチで少し大きい(FT710/IC-7300は 4.8インチ)ことです。

次に操作性ですが、この3機種ともコンパクトリグなのでメニュー変換の方法を少ないスイッチで行おうとしています。なのでその設計が良い悪いの評価に反映されているのだと思います。

FTdx10を使い始めた当初はかなり不満な点が多かったのですが、次のような手段と方法を加えて、現在では特に大きな不満を感じることが無くなり FB に使用しています。まず第一にはマウスの導入です。マウスにはロジテックやバッファローの無線マウスを使っていますが(使えないというネット記事に反し)問題なく動作しています。

マウスを使うことによりディスプレイ上への(指の)タッチは不要になります。またマウスはメニューの設定だけでなくスペクトラム上をクリックすることで周波数が変えられます(しかし「ホイールで移動」は使えない)。さらにスペクトラムでの上中下のクリックで上下位置も変えられるので、これらの操作を便利に行うために外部ディスプレイを使うのが非常に効果があります。

また他にはないモノとしてダイヤルの外周にある多機能ダイヤルがあります。このダイヤルは通常ではFASTダイヤルとなりこれが結構便利ですが、このダイヤルはFAST以外にメニュー設定にも使えます(CSボタンと組み合わせる)。

またスペクトラムの表示として CENTER、FIX の他に CURSOR があります。これはダイヤルを左右の端からさらに移動すると周波数軸が一緒に移動するというもので、これも結構便利に使えます。

しかしメインのメニュー設定にはダイヤル左上のスイッチを押すことになるのですが、このスイッチが固くガチっと押さなくてはいけないのにはどうしても違和感があります。そこでCATを使ってPCで設定ができるソフトを制作して使っています。

このソフトは VB.NET で書いたものですが、やっぱりこのようにメニュー全体が表示されている方が使い勝手が良いと思います。

以上のような方法で FTDx10 の使い勝手を改良していますが、あの針状のスペクトラムは未だに違和感があります。要するに平均化をしていないということですが、平均化をしないとノイズの表示がウルサく弱い信号との差別化ができません。平均化自体はソフト上で何の問題もなくできるはずなのに(現にSCU-LAN10ではやっている)、なぜそうしないのか? ヤエスさんに強く聞いてみたいところです(返事はないでしょうが!)。

なお最近のヤエスリグのウリ?であるスペクトラムの立体表示(3DSS)ですが、見栄えはするかもしれませんがあってもなくてもいいのでは? というのが正直なところです(実際の運用では 2次元表示でも十分なので)。


FTdx10のCAT出力は2つある! CAT制御とハムログに同時使用

2024-10-08 14:35:40 | アマチュア無線

FTdx10 の背面には USB-B と D-SUB(RS232C)コネクタがありどちらもCAT制御用と書いてあります。一方 FTdx3000 にも同様に両者があり、どちらかを選ぶようになっていたため FTdx10 も同じだと思っていましたが、違いました。別々に、同時に動くんですね~

そこでUSBの方は FXdx10 のCAT制御に使い、D-SUB をハムログで同時に使ってみることにしました。しかしPCはミニPCなので(最近のPCなので)当然ながら D-SUBコネクタ はありません。そこで RS232C~USB 変換が必要になるのですが、ここでは昔(win8時代)の IO-DATA RSAQ5 を使いました。この変換アダプターは名目上 win10/win11では使えないことになっているのですが、win11で IO-DATA のサイトから win8 用のドライバーをインストールすることで使えるようになりました。

なお RSAQ5 の D-SUBピンはオスなので FTDx10 のオスにつなげるには、例えばメスーメスコードを間に入れるような変換手段が必要になります。ドライバーのインストール後にPCにつなぎ以下のように認識されればOKです。

なおPC本体のUSBコネクタではなく増設USBポートに刺した場合は認識しませんでした。

ハムログでの FTdx10 の設定ですが以下のように KENWOOD-1 で設定します。なおボーレイトですが同時に「FTdx10のCAT制御」を使っている場合はそれと同じ 38400 bps でなければ動きませんでした。

ただし「FTdx10のCAT制御」と同時に使用している場合、一端該当するハムログの入力ウインドウをクリックしてフォーカスを移す必要があります。もちろんハムログ単独の場合にはこのようなことはありません。


FTdx10の外部ディスプレイに古い液晶パネルを活用

2024-08-22 11:23:01 | アマチュア無線

FTdx10の外部ディスプレイに当初は PC用の23インチディスプレイを切替えて使っていましたが、どうにも画面が大きすぎて今一つFBではありません。そこでどのくらいの大きさが適当か検討してみたところ、10インチ程度が見た感じや外形寸法から適当ではないか、と思いいろいろと物色した結果10インチの液晶パネルにLCDコントローラーを組み合わせて作ってみることにしました。

10インチ程度の液晶パネルはフリマなどで1K以下で入手できます。またLCDコントローラーは液晶パネル番号から該当する機種を選定することになりアマゾン等で入手できますが、ここでは価格を考慮して AliExpress で探してみました。

AliExpress は中華サイトなので入手まで時間がかかると覚悟していましたが1週間以内で配送されました。価格は国内サイトより約1K円ほど安かったので液晶パネルと両方で約3.5K円になりました。

とりあえずこの基板を液晶パネルに固定するために適当な角材を両面テープでパネル裏面に張付け、ここにねじ止めしました。

このLCDコントローラーは入力として hdmi 、 vga、 av、 usb があり他のLCDコントローラーに比べ多入力な基板です。液晶のコネクタにコントローラーからの配線をつなげ、とりあえずPC出力をHDMIにつないで電源を入れてみると結構きれいに映ります。

ところがFTdx10のDVI端子にDVI-D~HDMI変換コードを刺し、コントローラーのHDMIにつなげてみると Unsupportedと表示され映りません。おかしいな、と思ってこのコードをPCのディスプレイに差し込むと問題なく映ります。

そこで FTdx10 の EXIT MONITOR PIXEL を 800×480 から 800×600 に変更してみました。すると、

映ることは映りましたがパネルが横長のため上下にスキマができてしまいますが、まあまあ使えるかなという感じです。またこのLCDコントローラーには VGA の入力があるので、DVI-D~VGA変換コードも購入して試してみました。

この場合 FTdx10 のPIXEL は 800×480 で良いのでこちらの方がややマシですが、これも右の端が少し空いてしまいイマイチです。

このように適当な液晶パネルがあればLCDコントローラーを購入することで簡単にモニターができるので、使わなくなった古いノートPCなどいろいろと活用ができそうです。

 


FTdx10 をCAT制御で便利に使う (その3) VB.NETによるCATコントロールソフトの開発

2024-07-11 14:29:51 | アマチュア無線

VB.NETでシリアル通信ソフトを制作する最初の関門は、送受信がスムースにできるコードを確定することです。まずツールボックスから SirialPortForm にドラッグし、そのプロパティに所定のCOMチャンネル、ボーレート、ストップビットを設定します。次に送信のコードは以下のようになります。

----------------------------------

'シリアルポートをオープンしていない場合、処理を行わない.

If SerialPort1.IsOpen = False Then 
            Return
End If
'送信するテキストは data 、ここでは VFO-A の周波数を読みに行く
Dim data As String
        data = "FA;"

 '送信するテキストがない場合、データ送信は行わない.

If String.IsNullOrEmpty(data) Then       
            Return
End If

Try             'シリアルポートからテキストを送信
            SerialPort1.WriteLine(data)          
End Try

これに対してもしポートにデータが入力された場合、これを読んで受信テキストを得ます。このコードはかなり厄介でベタコピがオススメ。

Private Sub SerialPort1_DataReceived(ByVal sender As System.Object, ByVal e As System.IO.Ports.SerialDataReceivedEventArgs)Handles SerialPort1.DataReceived

 'シリアルポートをオープンしていない場合、処理を行わない.

 If SerialPort1.IsOpen = False Then   
            Return
 End If

 Try

'受信データを読み込む.
Dim data As String               
data = SerialPort1.ReadExisting()

 '受信したデータをテキストボックスに書き込む.
Dim args(0) As Object           
args(0) = data
Invoke(New Delegate_RcvDataToTextBox(AddressOf Me.RcvDataToTextBox), args)
        End Try

End Sub

-------------------------------------

Private Sub RcvDataToTextBox(ByVal data As String)

 RcvTextBox.AppendText(data)
 If CommandStrings = "FA;" Then  TextBox1.Text = data 

End sub

-------------------------------------------

以上のコードで FA; を送信し無事 TextBox1 に周波数を受信することができました。次に周波数を連続して受信するコードを試してみました。

-------------------------------------------

Fstart:        '周波数の連続受信
 TextBox1.Clear()
 RcvTextBox.Clear()

 CommandStrings = "FA;"
 SerialPort1.WriteLine(CommandStrings)

 GoTo Fstart

-------------------------------------------

ところがこれが全然動きません。つまり単発の送信はできても連続すると動かない、ということです。そこで試行錯誤を行った結果次のような対策で可能になりました。

・FTdx10のタイムアウトタイマーをデフォルトの10msecに戻す。

・次の位置に遅延時間要素を挿入する。

--------------------------------------

Fstart:          
  TextBox1.Clear()
  RcvTextBox.Clear()

 CommandStrings = "FA;"
 SerialPort1.WriteLine(CommandStrings)

' FUNCTION でループによる遅延時間要素を作成する、*はそのループ数(遅延時間)設定値

 DummyLoop(*)  

GoTo Fstart

----------------------------------------------

これで周波数の連続受信が可能になりましたが、この遅延時間の値が動かすPCの性能により変える必要があることが分かりました。例えばPCの動作速度が速い場合、この遅延時間を大きくする必要があります。しかしあまり大きくすると動作しなくなり、その幅はやってみなければ分からない、という状況です。


FTdx10 をCAT制御で便利に使う (その2)CATコントロールソフトの制作

2024-07-11 13:43:50 | アマチュア無線

このソフトの制作では、特にシリアル通信の送受信のタイミングをとることに苦労しました。当初はこれがなかなか分からなかったので手こずりましたが、試行錯誤を重ねてなんとかスムーズに動くところまでこぎつけました。

FTdx10のCAT制御では、ヤエス無線が提供する「FTDX10 CAT オペレーション リファレンス マニュアル」が必要です。これはネットで検索するとすぐ見つかりますが、ソフト開発では穴のあくほどこれを見ることになるのでプリントが必須です。

まずCAT制御の事始めとして適当なシリアル通信ソフトを使い、このマニュアルの最初に書かれているように文字を送信して受信できるか確認してみました。FTDx10とはUSBでつなぎ、USBチャンネル、ボーレート、ストップビットをマニュアル通りに設定して FA; と送信してみると下の様に全然受信できません。

ここから苦労が始まるのですが、まずこのマニュアルの次のような記述に注意します。

〇CATコントロールのタイムアウトタイマーはセッティングメニューにより・・・・・

ここで FTdx10のタイムアウトタイマーはデフォルトで10msecになっています。つまりこの時間が短いと、送信してPCが受信体制?に入る前にFTDx10からの返信を受けるため、これを長く設定する必要があるようです。そこでこれを最大の 3000ms に設定してみました。しかし状態は同じで ?! しか表示しません。改めて各設定値を確認してみましたが全然動きません。そこでまたマニュアルを詳しく見ていくと次のような記述に目が止まりました。

!一般的にパソコンは、雑音を発生する可能性があり、本機とパソコンを接続すると、この雑音により受信が妨害されることがあります。

これでピンときたのが以前 SDR-RSPドングルでソフトウエア受信ソフトを動かし、リグとのトラッキングを設定した時のトラブルです。これは最初はトラッキングが働きリグのダイヤルを回すとPCディスプレイ上のカーソルがちゃんと動くのですが、送信に移るとこのトラッキングが切れ再度SDRドングルをPCのUSBに刺し直さないと復帰しないという現象です。そしてこれを回避できたのがリグのUSB出力の根元で、USBケーブルをリングコアに巻き付けるという対策です。

早速同じものを用意して FA; を送信してみましたところ、やっと受信に成功しました。

試しにバンド切替の BS1~9; を打ってみると、FTdx10がカチっといって各バンドに切り替わります。これはもう楽勝と思いソフト制作を思い立ちました。

開発言語は VB.NET ですが、以前ソフト開発に使った Visual Stadio 2008 が、当時なかった Windows 11 で動くかどうか分かりませんでした。しかしそのままインストールしてみると、ラッキーなことに何のトラブルもなく動きました。 Windows 11 は、VB6は受け付けなくても VB.NET になってからは、どのバージョンでも64bitで動くんですね~

ーーー(その3)VB.NETによるCATコントロールソフト開発に続く