夫が、夜勤から帰ってきた。
ご飯を食べ、
シャワーを浴びて、
寝室へ。
私は、全てわかってる。
今、家には他に誰もいないから、
そういうことなんだろうと。
カーテンの隙間から、外の光りが差し込んでいて、
思ったより、部屋が明るいのが嫌だった。
夫は、すぐに力尽きて、
やがて、規則正しい寝息をたてた。
けれど私は、何も満足していない。
それどころか、余計に虚しくなる。
奉仕するだけなのが、
もう当たり前みたいになったのは、いつからだろう…。
夫は、私のそんな気持ちなど、微塵も感じていない。
私は、自分ひとりの方が、この身体を満足させてあげられるというのに…。
もし、彼となら、いったいどんな世界が見られるのだろう。
彼は、女の幸せを
ちゃんと与えてくれるに違いない。
そうやって、想像して、
満たされる。