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今夜は、月が明るい。
灯のないグランドの片隅で、
犬を連れた私は、
しゃがんで彼を待っていた。
さっきは、
手が凍えてLINEの文字がまともに打てなかったのだけど、
彼が、痛めた足首を固定させてから、散歩に出ると言うから、
そんな寒さでも、
いつまでも待てる。
しばらくすると、
電車の音が、聞こえてきて、
することがない犬は、電車が通り過ぎるのをただ、見ていた。
そんな時、
いきなり携帯の着信音が鳴った。
いつもの違う彼の行動に、戸惑いながら、
私は電話に出た。
仕事で痛めた足の話をした。
もう、完治することはないかもしれない。
こらからずっと、上手く付き合うしかないのかもしれない。
それなら、私は、その身体も愛せるよ。
彼の持病も、
彼の身体の変化も、
痛めた足も、
全て。
私は、彼の遺伝子が欲しかったのだけど、
それが不可能でも構わない。
そうやって、年をとろう。
一緒に。
彼は、家族を守るため、必死に頑張る。
こらからも。
私は、その姿をずっと見守る。
それが私のこれから。