あの時、私は、とんでもないミスを犯していたんだ。
考えただけで、恐ろしくて、ゾッとした。
彼が全てを失うことになりかねないような、
許し難い行為だというのに、
それでも最後に、許すと言ってくれた。
今夜、犬と歩く道は、
思い出に浸る時間だった。
いつもこの辺で、彼からLINEが来るんだけどなあ〜。とか、
このグランドで、寒い中、彼が来るのを待ったな〜。とか、
そしてよく、笑っていたな。とか。
私は、ずっとLINEが来るのを待っていて、いいのかな?
それとも、思うことを聞いてみるべきなのか?
よく考えた。
もう、散歩のコースの半分の距離を過ぎる。
彼とまだ終わりたくない。
彼の存在は、私が幸せな方向へ向いたきっかけだから。
けど、これを聞いたら、終わるかもしれない。
それでも、ちゃんと聞いた方がいい。
自分との格闘だった。
私は、勇気を出してLINEを送った。
もう、この関係は、終わった方がいいのかな?って。
そしたら、やがて返事が来たのだった。
ほんの数回のやり取りだった。
途絶えてしまってからも、何回も、このやり取りを読み直して、彼の心境を考えてみた。
彼は、怒っていたのだ。
その状況を聞くと当たり前だ。
なのに私は、安易に考えすぎていた。
それに気が付かずに、何度かLINEを送った。
浅はかだった。
既読はつくけど、返事がない。
それで、勝手に不安になる。
負の連鎖。
苦しかった。
こんなに苦しいなんて、初めて知った。
私は、彼と、普通の関係ではない。
だからもっと、気をつけなければいけない。
私が、繋がることが許される時間は、
彼が1人で、夜の犬の散歩に出てる時だけ。
そう肝に銘じた。
もう、ミスは許されない。
今の私は、再び話せた喜びと、底知れない恐怖が、入り混じって、
その上に、許してくれた感謝の気持ちが込み上げてくるという状況。
家族に、
赤くなった目を気が付かれないように、うつむいて、
ひたすら、晩御飯の準備をした。
心の中で、
ありがとうと、何度も言った。
もう一度言う。
彼との出会いは、
私が、幸せな方向へ、向いたきっかけだ。
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