(12月15日)
12月31日午後9時頃
みーこが亡くなりました。
12月に入ってすぐ、みーこの呼吸がいつもと違うコトに気付いた。
うまく吸えてないみたいで、苦しそうな感じだった。
おばあちゃんに言って、ちょっと様子見たけど、
ずっと変な呼吸の仕方のままなので、その2日後くらいに病院に連れて行ってもらったの。
「リンパ腫」
ガン。
リンパなんとかが大きくなって、肺に広がっちゃう(?)とかなんとか。
白血病の猫がなりやすいんだって。
みーこはもともと野良だったのをぼくが拾ってきたの。
白血病は産まれたときから親にもらってたんじゃないかって話だったみたい。
みーこの肺のレントゲン写真は、
片方の黒い肺が白いリンパ腫で小さくなってた。3分の1とかくらいかな・・・もっとかな。。
抗ガン治療をしても、この病気で死ぬことになるらしかった。
しかもかなりお金がかかる。
大変なことだ。
そういうことはしないことにした。
すごく痛いんだって。
苦しそうなの。
だから痛み止めの薬をもらって飲んでた。
ご飯を食べない日もあった。
一日中寝たままだったりもした。
だけど体調がいい日は外に出て行くこともあった。
階段をのぼってぼくの部屋まで来て、ベッドで機嫌よくのどを鳴らすこともあった。
だけど、やっぱりだんだんそういうのが減っていくのね。
歩くだけでも辛いみたいで、
お気に入りの洗濯機の上でいつも寝てるんだけどね、
同じ部屋の中にあるご飯の場所に行くのにも何度も何度も休みながら歩いてた。
人間が普通に歩いて3歩の距離。
そのうち洗濯機の上にジャンプして乗ることもしなくなった。
それでも、
毛はふさふさで、きれいな顔して、いつも強気な眼をしていた。
ぼくの母方のおじいちゃんは肺のガンで亡くなった。
おばあちゃんはそのおじいちゃんの隣りに居た人だ。
「これからもっと辛くなるけど、がんばろうね。みーちゃん、がんばろうね。」
眠るみーこよくに声をかけてた。
僕にはおばあちゃんが少し辛そうにみえたよ。
ぼくは冬休みに入った日から実家に帰ってきている。
みーこに会ったのは、部活で学校に行った26日だけだったよ。
洗濯機の上で寝れなくなったみーこ専用に、台所の隅に置かれた寝床ね丸まって目を細めるみーこの頭を撫でて、
「じゃーな。次会うときまでぼくのこと忘れないでね。」なんて言って、
みーこと目を合わせて、ちょっと見詰め合って。
家に帰った。
12月31日
紅白を見ながら多すぎる夕飯を家族で食べる。
八時半頃、それを妹と途中で抜け出して、風が吹く中コンビニにジュース買いに行ったの。
すごく暗くて、怖くて、寒かった。
帰ってきたら9時をちょっと過ぎたあたりで。
ぼくはコートとマフラーを片しに自室に上がったら、それを追っておかあさんが入ってきて、
「さっきおばあちゃんから電話があって、みーこ息ひきとったって。あの場(居間)で言ったらみんな暗くなっちゃうかなーって思ったんだけど、あんたには言っとこうと思って。」
みたいなことを急に言われて固まったよそりゃ。
は?って言ったもん。
しかもその後埋葬について話し始めるし。
泣きそうになるのを堪える。
毎年この日はなんとなくめでたい空気で過ごすことになっているから、
泣きながら居間に戻ったりはできなかった。
がまんしたんだよ。
おばあちゃんから聞いた話
30日、かなり苦しそうだったから病院に行って注射してもらったんだって。
その日は本当に苦しそうで。
おしっこも自分でできなかったって。
だから猫用のオシメを買ってきて、してあげたんだって。
31日の夜、急にみーこが叫んだ。
「ぎゃー」って、2回くらい。
手足を伸ばして、今までにないくらい苦しそうに。
その時おばあちゃん「もうダメだな」って思ったって言ってた。
そしたら、動かなくなって、息してなくて、心臓止まってて。
死んじゃったんだって。
おばあちゃんもぼくもお母さんもその他みんなも、
みーこはもう少し生きると思ってた。
おばあちゃんは、みーこはこれから寝たきりになってご飯食べれなくなって自分でおしっこできなくなって・・・・ってなっていくと思ってたって。
でもそんなこと全然なくて。
みーこは最後の日以外全部ちゃんとしてて。
おばあちゃんが心配していた様なことにはならなかった。
みーこはすっごくすっごくいい子だと思う。
親孝行だと思う。
みーこは庭に埋めようと思うの。
(みーこの黒ぶち前足)
みーこに会ったのは、ぼくが中2だった頃。
部活がだんだん駅伝メニューに変わってきた夏と秋の間くらいの季節。
昼過ぎ、競技場からチャリでの帰り道。
猫仲間の後輩が何かしていて、かけよると子猫が4・5匹。
捨てられた?
近所の人によると、親も4日程前から帰ってきてないとか。
でも目も見えてるみたいだし、表情がしっかりしてたから、もう産まれてから結構日数が経ってたと思う。
そんでとりあえず捕獲作業。
人懐っこいのはすぐ抱けた。後輩の手の中で寝てたし。
けどコンクリートの筒の中に潜ってでてこないのが2匹。
一匹はネコじゃらし的なもので釣って隙を見て捕獲。
最後の1匹は、あからさまに怯えて威嚇した。
後のみーこさんです。
かなり時間かかって捕まえた。
指を噛まれて血が出たのを憶えてる。
「子猫に噛まれて血が出んの初めてだ!」って感動したんだよねw
ちっちぇーのにつえーーーー!!!!って。
しかもなんかめちゃめちゃ美人顔だし、女の子だし。
すっかり後輩の手に懐いた3匹はその後輩2人に任せて、
ぼくはみーこを連れて帰ることにしたの。
スパイクとかスポドリが入った黒いトートバッグの中に、
タオルと着替え用に持ってきてたTシャツを上手く敷いて子猫を軽く包んだ。
ぼくが帰る道は車も人も通らない田んぼ道。
ネコの顔を見ながらなんとなく話しかけるたような気がする。。
家に連れて来たはいいけど、うちには既に大人のネコが2匹。
親にも「飼えるわけない」と言われた。
でもとりあえず一日だけダンボールの中にぅちのネコが子猫のころ使っていた猫つぐら(?)と一緒に入れてみる。
怖がってた。強がってた。
すぐに噛むからぅちで付いたあだ名は「アナコンダ」。
通称「あーちゃん」
でもやっぱりぅちでは飼えないからおばあちゃん家に預けることに。
そんな感じで「みーこ」はおばあちゃん家の子になった。
ご飯もちゃんと食べれるし、おしっこも自分でできる。
手のかからない子猫。
どんどん大きくなって、やっぱりとっても美人になった。
2才。
生まれてすぐに親と離れたからかな、うまく「にゃーん」って鳴けないみーこ。
人の真似するみたいに、「にゃ、にゃにゃ、にゃ」って。
人には懐かない。
人見知りする。
高飛車でツンデレ。
結構グルメ。
攻撃には手加減が無い。
びっくりするような腕力(ん?脚力か?)。
人に触られたくないけど、撫でてやると喜ぶ。
とにかくツンデレ。
洗濯機の上とピアノの上がお気に入り。
押入れの中とぼくのベッドの上でもよく寝る。
つまみ食いが得意。
ネコとかの動物って、生きてるだけで「幸せ」って感じるようになってるって誰かに教えてもらった。
みーこ
それ以上の幸せがあったかい?
みーこ
ぼくは君を連れてきてよかったかな、ダメだったかな。
みーこ
咳をするみーこの背中をさすってやることしかできなくてごめんね。
みーこ
みーこ
ぼくはね、みーこが大好きだよ。
みーこ
迷惑ばっかりかけててごめんね。
みーこ
君がぼくをどう思ってたか知らないけど、ぼくみーこすき。
みーこ、みーこ、おやすみ