さよならteacup

国内最大手"eBook Japan"

iPadの発表で勢いづくであろう電子書籍業界だが、日本国内でのストア展開が不透明な以上、今あるサービスでなんとかやりくりするしか無いのが現状。

そこで今回は試しに業界最大手であるeBook Japanを利用してみる事にした。

まずはeBook Japanでダウンロードした書籍を読むための専用リーダーをダウンロードするところから始める。このあたりは理想書店と一緒だね。

ところがまずここで一つ問題が発生。Macの場合はOSがLeopard以上で、Power PCは不可との事。いきなりそこを切るか!?まぁ、幸いWindowsがあるから良いが……うーん、足切りのハードルが高いよ。

あとは気に入った本を購入すれば良いのだが、幸い立ち読みサービスがあるので、適当な本をダウンロードして動作を確認してみる事にする。

と、ここでどんな感じかスクリーンショットを撮ろうと思ったが、eBookリーダーを立ち上げているときはスクリーンショットが撮れないようなっている。著作権保護のためだね。

まぁ、それは良いとして肝心のeBookリーダーなのだが、ビューワの拡大・縮小は出来るのだが、一画面に表示する文字の数を変える事が出来ない。本の購入画面でもページ数が載っていたので、「もしや?」思ったのだがやっぱりだ。

漫画だったら当然それでも良いのだが、テキストのみの小説等でその仕様はどうだろう?せっかくのデジタル化の意味が薄れてしまうと思うだが……

書籍の値段は概ね良心的で、例えば森博嗣「有限と微小のパン」などは、文庫本で1,200円するがここでは630円で購入出来る。他の本もここまでではなくとも、たいていは印刷本より安く設定されている。

しかし先にも書いたように著作権保護はかなりガチガチで、購入した本をパソコン以外で読むのは一苦労だ。まず以下の出版社がモバイル機器での対応を拒んでいる。

・講談社
・コアミックス
・ノース・スターズ・ピクチャーズ
・ハーレクイン社/ソフトバンククリエイティブ (※)
・新潮社/バンチ
・宙出版/宙コミッククリエイション
・新書館
・ソフトバンククリエイティブ
・角川書店
・一迅社
・株式会社デジタルライツ/豊国印刷株式会社
・GUSH COMICS/海王社
(※)ハーレクイン社のみでリリースしている作品は、iPhone / iPod touch読書サービスをご利用いただけます。


おそらくこれで全体の3割以上はアウトだろう。モバイルしてこその電子書籍だと思うのだが……うーん。

さらにモバイル機器で読める本を購入した場合でも、簡単にUSBで転送などというわけにはいかない。まず一旦WEB上にあるトランクルームと呼ばれる書庫にアップロードして、端末からそこにアクセスしてダウンロードするという二度手間。

しかも、どうやらアップロードした際にローカルにあった本は消えてしまい、移動と言うかたちになる模様。このあたりはまんまデジタル放送におけるコピーワンスと一緒だね。おそらく出版社が電子書籍として販売するにあたっての最大限の譲歩がこのラインだという事なのだろう。

まぁ、コピーが簡単に出来てしまうデジタルだから、しょうがないと言えばそれまでなのだが、ここまでガチガチだとちょっとねぇ……ラインナップは悪くないだけにもったいないよ。ページあたりの文字数固定には目をつぶるとしても、モバイル機器へは全ての書籍が対応して欲しいものだ。

とりあえず今回は購入を見送るが、もう少しサイト全体をチェックしてiPhoneでも読める興味のある本がないか探してみようかねぇって話ヽ(*´Д`)ノ

コメント一覧

bonjovi
>suzukitakaoさん

それは災難でしたね。ローカルに保存したコンテンツが消えても再ダウンロード不可って事なんですね。それが今ひとつ乗り気になれない要因でもあるんですよねぇ……

AmazonとiBook Storeの存在が日本の電子書籍の後押しになる事を願うばかりです。
suzukitakao
利便性を犠牲にしてまで著作権法に拘泥した良い例だと思います。私はiPhoneに入れたコンテンツが不慮の事故で消えてしまったために取り返しのつかない損をしてしまいました。
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