アリ@チャピ堂 お気楽本のブログ

日々の読書記録を勝手きままに書き記す

ディックはなぜSF作家となったのか

2014-03-26 00:16:36 | フィリップ・K・ディック
市に虎声あらん!



「市に虎声あらん!」阿部重夫訳 平凡社 2013年発行

この作品を読んで何かを得ることがあるとしたら
ディックファンがその薀蓄を深めるということ以外に
想像することが難しい

訳がいささか大時代的な感じが否めないが
「市(まち)に虎声(こせい)あらん」
というタイトルからして
大上段に構えないと出版には至らなかった
そういう小説であった

書き(描き)過ぎている・・
もっと隠喩として・・SF的に書けば
そういうことなのだろう

帯に「山形浩生氏激賞」とある
ヴァリス〔新訳版〕の翻訳者だ
激賞するか・・

自分自身の世界観、価値観も老獪化している
混乱を新鮮に受け止められた時代も過ぎ
人間の営みから読み取ることができる
意義の少なさにも慣れてきている

この本への共感が得られないのは
もっぱら自らの精神の貧困のせいか

ファンとしてはディックが書いたということが
まずは評価の9割を占める
ディックだからいいのだと


ディック好きでも疲れる?!

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 変種第二号 ディック短編傑... | トップ | 「ディック最大の問題作」と... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

フィリップ・K・ディック」カテゴリの最新記事