アリ@チャピ堂 お気楽本のブログ

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並行世界の描き方

2010-09-22 21:18:56 | フィリップ・K・ディック
「宇宙の操り人形」 隠された現実を掘りだせ・・

長編に区分しても良いのだろう
早川書房、創元社、サンリオいずれでもなく朝日ソノラマ文庫から出版され
ちくま文庫で再刊されたディック4作目の長編小説である


「宇宙の操り人形」“The Cosmic Puppets” 1957年作品
仁賀克雄訳 朝日ソノラマ文庫海外シリーズ 1984年
「宇宙の操り人形」 The Cosmic Puppets
「地球乗っ取り計画」 Project: EARTH


「宇宙の操り人形」“The Cosmic Puppets” 1957年作品
仁賀克雄訳 ちくま文庫 1992年
「宇宙の操り人形」“The Cosmic Puppets”
「地球乗っ取り計画」“ Project:EARTH”
「地底からの侵略」“A Surface Raid”
「奇妙なエデン」“Strange Eden”

ディックならではの並行世界の描き方
町全体が作り変えられているという発想は
町と町の間が明確な距離と空間で隔てられているアメリカでは起こりそうにも思える
町の入口に「ようこそ○○タウンへ!」と開発業者が立てた看板があるあの町だ

作り替えられた街を取り戻していく主人公の格闘が
ディックらしい、ディックならではの並行世界の描写は
この後の作品に通底するエッセンスとなるものだ

 現実を取り戻せ、それはごくありふれた者がまたありふれたものに置きかえられていくだけのこと

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