或る双子座の日々

這是一個雙子座的生活日記。
つれづれなるままに

分別ゴミがない?

2005年09月24日 | ハンガリー(役立ちメモ)
2004年に念願かなってEU加盟となり、晴れて西側諸国の仲間入りを
果たしたハンガリー。その前年に当地へ入った私は分別ゴミが無いこと
に驚かされました。

例外として、ビール瓶と一部のミネラルウォーターのペットボトルは、
各スーパーマーケットに回収窓口が設けられ、デポジット制で先払い
した分を返金してもらえます。このため、買い物と同時にビンの返却
をする人は良く見かけますし、根付いているようです。

しかし、「要らなくなった電化製品は何処へ捨てるの?」とオーナーに
尋ねても、アパート住人全員で共有する3個のコンテナーを指差すのみ。
古新聞の束は?引越しで大量に出たダンボールは?電球は?電池は?
なにを聞いても「全部コンテナーに入れていいよ」の一言。
驚いたり、何度も確認したりする私たちに「外国では分別するらしいね。
EU加盟でハンガリーも導入するらしいね。でも今の所、関係ないよ。
全部、入れちゃって。」とニッコリ。こちらは、笑えない。

大型のゴミ入れ(コンテナー)に一杯詰まった植木ゴミから電化製品
から家庭ゴミの全ては、週末の朝やってくる回収車で片付けられます。
トラック脇に2人の男性が立ち、各アパート前に出されたゴミ入れを
装置に載せる。すると機械がグーッと持ち上げ、荷台の真上で垂直に
倒しパカーッと開いたフタから中身がザザーッと流れ落ちる仕組み。
その様子を見て、しみじみと「本当に分別しないのか」と納得。

その後、近所のショッピングセンター入口で偶然に電池専用回収箱を
発見。一見クズかごのように地味で、小さな穴が2つ空いた緑色の箱。
観察すると電池の絵が描いてあり、「おお、これで我が家の電池をどう
にかできる!」と感動。捨てていいと言われても、アルカリ乾電池だ
から関係ない?と思っても公害病を教科書で学んだ日本人としては
恐ろしすぎて踏み切れませんでした。
古電池はビニル袋に入れて保管していたのです。

加盟に伴ってEU側から最もキツく言い渡されていたのが環境基準らしい
という話は、ハンガリー語学校で同じ外国人として学ぶ仲間から聞いて
知りました。ベルギー人もフィンランド人もアメリカ人も日本人の私も、
ゴミのことでは「ハンガリーは間違っている」と、ことある毎に先生に
向かってこぼしたものです。

そんな折、一昨年の暮れ頃でしたか、まさに対外的な言い訳?とも思え
るリサイクルBoxが街中に出現。各アパートで使用しているゴミ入れで
はなく、何ブロックか毎に設置されたBoxに投入しに行けば、少なく
とも「透明ビン」「色付ビン」「ペットボトル」「缶類」「紙類」の5種
については心置きなく捨てられるようになりました。
これはクラスメイトも大歓迎で、「おい、どこそこで回収binを見たぞ」
などと報告しあったものでした。外国人の私たちが渇望していたことが
叶って、連帯感というか興奮したのを覚えています。

徐々に数を増やした回収ポイント、今では珍しくもなくなり進歩したと
いえます。しかし、それ以上の発展はといえばナシ。いまも、各アパート
から出す大型ゴミ入れにスプレー缶もビニルも缶もビンも生ゴミも纏めて
排出する日々です。ショッピングモールや各施設も街中でも、ゴミ箱は
常に1つ。分別なんて言葉の無い世界に変わりは無く、はやくリサイクル
にむけたシステムが構築されて欲しいと願っています。


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