或る双子座の日々

這是一個雙子座的生活日記。
つれづれなるままに

映画|シンドラーのリスト 追記

2008年03月25日 | 映画
15年前の映画だったことを忘れていました。
若い方は、タイトルも内容もご存知無いかもしれませんので
恥ずかしながら自分のことばで纏めてみますと・・・

スティーヴン・スピルバーグ作品。いわずとしれたアメリカを
代表する映画監督。ウィキペディアによれば、自身ユダヤ系
移民の3代目。

「E.T.」や「ジュラシック・パーク」などファンタジーやSFっぽい
映画の王様的イメージですが「プライベート・ライアン」といった
戦争に題材をとった作品や黒人女性が主役の「カラーパープル」
という社会派の作品もある巨匠。

物語の背景は、第2次大戦時。ドイツがユダヤ人を迫害(最終的に、
収容施設アウシュビッツでの大量虐殺が最も知られる)。

このとき、自身はドイツ側の人間ながら自分の軍需工場で
働かせるという形で収容所へ輸送されるユダヤ人1000名以上を
すくったチェコ人男性シンドラーの物語。


実在する男性ですが、彼を題材にして作られた小説を基に
できた映画。

ウィキペディアには、こんなコメントも・・・
  終盤のカラーパートで出演したシンドラー夫人のエミリエは
  本作について「ユダヤ人をあくまで労働力としかみなかった
  夫を美化している」とコメントしている。2001年10月に94歳で死去。


劇中、主人公シンドラーの心境に影響を与える少女のコート
だけが赤い色をしているほかは全編モノクロ。その時代の空気
に自然と吸い込まれる効果を果たしています。

制服を着たドイツ側の兵士と丸裸にされた男女が前を隠す
ことすら許されずある姿は胸を打つ残酷さで、遺体がゴミ
のように投げ込まれるなど衝撃的再現シーンも連続。

ファミリーで、少なくとも中学生以下のお子様とみるのは
難しい映画です。大人でも、心の準備が要ります。

中学時代、写真集のようなもので強制収容所について見た
ことがありましたが、最も印象残っているのは大型のガラス
ケースに入った大量の頭髪。

三つ編みもそのままに無造作に切り取られた毛束は
金色、赤色、茶色とさまざまな色をしていて、
持ち主の姿が偲ばれて戦慄するものがありました。

映画でも女性が髪を切られる、手荷物を預かるとしていながら
すぐ裏でトランクをあけて金品とそれ以外を整理回収する、
遺体から採った金歯を鑑定するシーンなどが描かれています。

当ブログで以前紹介した「暗い日曜日」にもありましたが、
ハンガリーからも大勢のユダヤ人が列車に載せられて
アウシュビッツなどの収容施設に送られました。

欧州に暮らすなか、その遠くない過去に何があったのかを知る
に良い映画だと思われます。

特定の国について感情的な印象をもたせようとしているのではなく、
もっと普遍的な「人間の脆さと逞しさ」の両方を浮き彫りにして
います。


鑑賞後は、日々の不満やモヤモヤを蹴散らしてくれて、
いま自分がいる自由で殺されない権利のある時代を大切に
生きたくなること間違いなしです。



最新の画像もっと見る

post a comment