buriのフリーランスな日々 

東京武蔵野、赤松や桜、ドングリの木々に囲まれて育ち、原宿で青春をすごした後、中国と深く関わったburiのメモブログ

ちょっと、ちょっとちょっとのことばの不思議

2008年06月22日 | 授業
翻訳の授業のとき

『ちょっと』という日本語を訳すのは ちょっと難しい といつも思います。

『陳さんの彼って、ちょっとね~』
『えっ、そうなの?!』

陳さんの彼について、否定的です。

また
『今度の世紀の美術展、イギリスとアメリカ、それに中国の美術館の合同展なんだよ』
『えー、すごい、こんなチャンス、これから先、ちょっとないかも』

これは「ちょっと」をつけて強調の意味で使っています。

ところが

『冷蔵庫にハムがある?』
『ちょっと、ない』

こんな会話、文法的に考えると変なのですが、成り立ちます
もともとは『少し(ちょっと)ない』ですから。

「ちょっと聞いたことがありません』
「わからないです~、ちょっと」

上記の3パターンは『言葉を柔らかくする』意味で使っています。
慣用的にお誘いの場でも使いますよね

『ちょっとお茶でも飲んで、休まない?』

『ちょっと』を付け足すことで、とっても柔らかいお誘いになりますよね。

他にもちょっとの意味はあると思いますが、
私の学生たち、この『ちょっと』の訳し方が難しいみたいです。

『ほら、ちょっとちょっと、そこの人、『ちょっと』の訳し方が「ちょっと」ね~
でも考えようによっては、それ、ちょっとない訳かもね、、」

もうお手上げです!