ちーむ☆ものくろ

黒色ダップー犬と飼い主の日々のつぶやき。
ときどき白黒ネコと茶色の犬の話も、ね。

一周忌

2013-10-01 | ミュウさん・クーさんのこと
今日はクーさんの一周忌です。



去年の今日、何の前触れもなく、すっと逝ってしまったクーさん。
あまりに突然で、いまだに夢のよう。
突然すぎて私たち家族は、悲しみの実感がない。
いまこうしていても、いつものように「にぁー」と言いながら部屋に入ってくるような気がする。
実感が薄いからクーさんの話をするとき、みんな笑顔で。
楽しい、おかしい思い出ばかりが口からでる。
「僕がいなくなっても笑顔でいてね」っていう、クーさんの思いやりなのかもしれないな。
大好きな飼い主には笑っててほしいんだよね、クーさん。
泣いてるのを空から見るのは心配だもんね。

クーさんは以前住んでいた家の周りで暮らす野良猫だった。
いつも体の模様がそっくりの母猫と一緒に行動していた。
近所の何軒かの家でご飯をもらっていた。
我が家の庭にもよく遊びに来て。
母猫は最後までなつかなかったけど、クーさんは出会ったときからなついて、甘えん坊だったな。
母猫は、ある日突然姿を消してしまった。
しばらくするとクーさんが子猫を一匹連れて来るようになった。
自分の子ではないよ、クーさんは男の子だから。
どこからか「拾って」きたらしい。
木登りやら、虫とりやら、日々教育してたクーさん。
クーさんは今でいう「イクメン」だったね。
その後もまたどこからか子猫を拾ってきたり。
この子猫は小学生がおうちに連れていったみたいだったけど。
母猫失踪後はずっと、自分が拾って育て上げた猫と常に一緒に行動してた。

ある日、庭からうめき声がするのをオットさんが気がついた。
見るとクーさんが顔を血だらけにして、悲痛な声をだしてうずくまっていた。
かけよって体をチェック。異常はなさそう。
顔だけ怪我をした様子。「誰かに殴られた」と私たちは直感した。そういう怪我だった。
急いで獣医さんへ運ぶ。
目が開かない。「ああ、目をやられちゃったんだ。もうあのかわいい目は見られない」って思った。
車の中で痛がるクーさんをなだめながら、そっと顔を拭いていたら、目が開いた。
きれいな目だった。よかった。ならばこの顔の血はどこからのものなのか。

獣医さんによると、「正面からたたかれたかな」と。
血は鼻血だった。
鼻の下の骨にひびが入り、顎が外れていた。体温も落ちていたのでそのまま入院。
顎をはめて、点滴治療を約一週間ほど。
「退院してもしばらくは自分で食べられないから、誰か引き取ってくれるひとが必要」と獣医さん。
ご飯を与えてるご近所さん、かわいがってるから里親になってくれるだろうとお願いに行った。
すべての家に断られた。
「猫は飼えないから」
ずいぶん勝手なかわいがり方だなぁって、ちょっと気分が悪くなった。
困ったなぁ。
獣医さんとどうしょうかと相談しているとき、オットさんが。
「うちでひきとります、うちの猫にします」と、高らかに宣言。
マジ?・・・・・
私はずっと犬飼いで猫を飼ったことがなかったから、ちゃんと飼えるかなぁって不安だったねぇ。
オットさんは宣言したって、「かわいがるけど世話はしない」のは目に見えてたからね。

でもクーさんは、我が家に来たその日から最期の時まで。
私を困らせたことなんて一度もなかった。
問題だなぁって思うこと、ひとつもなかった。

歳をとって食べられなくなったミュウさんの目の前で、ミュウさんのご飯を口にして。
「ほら、おいしいよ、ぼくも食べるから、ミュウも食べて」って元気づけてくれたり。
パピーゆうらの子守をして、なにかいたずらが始まると、近づいて行って「だめだよ」って注意したり。
私を助けてくれたよね。

この季節、まだそんなに寒くないから、自分の寝床で寝ていたクーさん。
亡くなる二日前の夜、突然私のお布団に入ってきて、朝までくっついて寝てたね。
いつもは寝ているクーさんに、ゆうらがくっついて行くのに。
クーさんのほうからゆうらにくっついて、半日寝ている日もあったね。
お別れが近いから寄り添ってくれたのかな。
クーさんの思い出つくりだったのかな。
私はあの最期に一緒に寝たクーさんのぬくもり、忘れてないよ。
もう一回、クーさんの頭に顔をくっつけて寝たいよう。


一周忌だなぁって思いながら、無意味にある猫の里親会のHPを見ていたら。
思わず声をだしてしまった、この写真。



クーさんだ・・・・・。

もちろん違う。
でも模様の入り方とか、そっくりだ。
クーさんはもう少し優しい顔だったけどね。

この子をひきとったら、この子をみたら、友達、親戚、ぶっとんじゃうね。
病院に連れて行ったら獣医さんは「えっ、ええーっ」て驚くだろうな。
そして誰しも「クーちぉんだあぁぁぁ」って叫ぶでしょう、きっと。

でもね。
似てるけど、このこはこのこ。
クーさんは永遠にクーさんしかいない。
このこにも良い里親さんが見つかりますように。
幸せな日々が長く続きますように。


クーさん。
いくなってからも私たちに笑顔と幸せをくれて、ありがとう。
いつかまた会える日まで。
ミュウさんと仲良く、楽しく暮らして待っててね。